モブおじエク【まだR-18にならない】 昔から、悪霊としての自分の実力には自信があった。
並大抵の雑魚じゃ到底太刀打ちできない霊力に、大人数を一斉に洗脳できる能力。何より、それらの力を正常に扱うだけの強力な自我がある。
これについてはシゲオとは明らかに相容れない考えかもしれんが、これほどの力、誇示しないのは損だとすら考えていた。
だが、あまり力がありすぎるというのも考えものらしい。
「…………その悪霊、あなたが飼ってるんですか?」
霊幻に向かってずけずけと言い放ったその男の言葉に、場の空気が一瞬で変わった。
ちと厄介そうな除霊依頼で居合わせた、霊能力者の男。仕事で同業者に会うことはままあるし、俺様の存在に気づいて声をかけてきたり除霊しようとしてきた奴はいる。だが、「飼う」なんて露骨な表現を使ってきたのはコイツが初めてだった。
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