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    瀬名🍭

    書きかけ、未修正の物含めてSS落書きごちゃ混ぜ。

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    瀬名🍭

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    ファンサ

    ##とれじぇい

    とじぇ 給仕係はすらりと伸びた細身の脚でフロアを静かに歩行する。灯りが幾らか落とされ、深海をモチーフにしたラウンジをすいすいと往く優美な物腰は珊瑚礁を舞う熱帯魚。客を案内するたび悩ましげに皺の寄る白の手袋。サイドベンツの切間から覗く引き締まった腰つき。斜めに被った中折れ帽子の陰から、切り揃えられたターコイズの髪が垂れ、黒のメッシュが視線を誘引する。ジェイドとフロイド、二人で一対となるセルリアンブルーのピアスが耳元で艶かしく揺れる。天井を飾る隆々としたタコ足にぶら提がったクラゲのシャンデリアから、乳白色の光が漏れていて、そのスモーキーな採光をジェイドの左耳を彩る鱗のピアスがきらきらと跳ね返す。「お客様」と朗々と響くテノールの丁寧な案内。客を導く指先まで意識され、時に威圧感を与えぬよう黒服に包んだ長身を屈めて中腰になり、当意即妙にサーブする。巨大な水槽(アクアリウム)を銀幕の背景のようにして、ジェイドは流麗として客の注文(オーダー)に答え、ラウンジの洒脱なムードに飲まれたゲストを更に水底深くへと誘っていく。
     ウィンター・ホリデー前の総仕上げとモストロ・ラウンジでは本日趣向を凝らした企画を用意した。特別なゲストをお招きするために。ただでさえ休暇が差し迫り、浮き足立っていた客のボルテージも最高潮へ向け高まっていく。スペースを確保するためボックスシートを撤去しビュッフェ形式にして、特設されたステージには音楽機材が置かれている。しかし、ステージ上にまだ人影はない。店内にはいつものようにジャジーなBGMが流れ、サキソフォンが独奏(ソロ)パートを晴々しく披露し、装飾音で会場を煽っていたが、イベントを待ちきれない客たちはざわざわと興奮気味の会話を交わし合い、てんでかき消されそうになっている。ジェイドは人熱れを掻き分け、オーダーを受けた飲み物を手配し、使用済みの皿を回収しながら、料理の残りを確認していた。そこへ両手に皿を持ち、ジェイドの道筋とは反対の方角からくるくるとターンする人影が飛び込んでくる。群衆の間隙を抜け出して、スポットライトを浴びたように偶然ぽっかりと開いた人波の最中でジェイドが出会ったのは、まるで鏡面に映った彼のただ一人の分身。決して打ち合わせてはいない。二人のウェイターは華麗に背中合わせで落ち合った。
    「ジェイド〜、オレもうへとへとー」
    「お楽しみはこれからじゃないですか」
     ホールの真ん中で双子は雑踏の中に取り残されたように二人きり。しかし、その邂逅は一瞬のもので息継ぎのような一言を交わすと、人魚たちはそれぞれの持ち場へ颯(さっ)と戻っていった。ケイトやリドルといったハーツラビュルの面々と料理が山盛りに乗ったテーブルのそばに立ち、和やかに談笑しながらトレイはダンスの振り付けのような二人のウェイターの一幕に見とれていた。
     「見事なものだな」
     どちらかといえば厨房の主人だったトレイは料理が美しく運ばれ、より値打ちが付加される様に感心していた。距離は離れていたにも関わらずジェイドはトレイの視線に気づき、始まりますよと言うふうにチャーミングに片目をつぶり、ウインクする。ジェイドはフォーマルなジャケットの内側にカマーバンドとサスペンダーを着込んでおり、もともとしなやかな印象を与える彼のウエストは絞られ、業務に追われてもズボンは高い腰の位置で留まったまま乱れる事なく、人間離れした長い手足がドレッシーに強調されている。その整ったシルエットが人の波間に消えていくのを見届けながら、トレイには周囲のさざめきが少しの間潮騒のように聞こえていた。
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    瀬名🍭

    PROGRESS不定期でトとジェがお茶会する♣️🐬SSのまとめ(未完) 捏造多。随時更新。お題:salty lovers
    Merman’s test garden 魚類は虫歯にならない。歯を蝕む病は人類と砂糖の出会いによって生まれ、海中暮らしで甘味を知らなかった人魚もまた、人と交わることで歯を患うようになったと言われる。太古の昔、人間の王子と結ばれた人魚の姫は、心優しいハンサムではなく実際のところお城の豪華なテーブルに並んだ愛しき者たち――チョコレートケーキにミルクレープ、焼きたてのスコーンにクロテッドクリームとたっぷりのジャムを添えた、華麗なるティータイム――と恋に落ちた、なんて使い古されたジョークがある程だ。
     それまで、栄養補給を主たる眼目に据えた、質実な食卓しか知らぬ人魚たちの心を蕩かしたこれら、危険で甘美な食の嗜好品はsweety loversと名付けられ持て囃された。他方、人間に人魚、獣人、妖精と多様な種族がファースト・コンタクトを済ませたばかりで、種の保存において血筋の混淆を危険視する声も少なくなかった。昼日向に会いたくても会えず、仲を公言することもできない、陸の上の恋人を持つ人魚たちはなかなか口にできぬ希少な砂糖になぞらえ、情人をもまたsweety loversと隠れて呼びならわし、種の垣根を越え、忍んで愛を交わしたと伝えられている。
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