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    G1pHikari

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    タミダフ 罪悪感と首絞めの夢

     天井と、人の影が視界に入る。腹の上に誰か乗っている。
     腕も脚も上がらない。身体が鉄の塊みたいに重い。腹から声が出せない。
     視線を動かす。大きな黒い瞳がこちらを見ていた。

     馬乗りになっているのはダフだった。
     気づけば首に手がかけられ、力を込められていた。
     ダフの額から血が滴り落ちる。
     そうだ。俺がやったんだ。
     謝罪の言葉を考える。浮かんだそばから霧散していく。
     首が締まる。血流が止まる。思考がまとまらない。
     ごめん、ごめんな。息と変わらない大きさで、それだけを繰り返す。
    「謝らなくたっていいよ」
    「でも、」
    「ああするしかなかったでしょ?」
     遮られる。そんなことはない。俺がもっと慎重で、もっと強ければ。
     ダフが俺の目を見つめる。
    「なん、だよ」
    「気にしなくていいんだよ」
     それならどうして、こんなこと。

     辛うじて動いた手で、ダフの手首をつかむ。
     首に込められた力が緩む。
    「やめる?」
     開きかけた口を閉じ、言葉を飲み込んでしまう。
     なんでお前がやめようとするんだ。悪いのは俺だ。
     黒い目が見ている。
    「なんで、って思ってるでしょ」
     見透かされている。
    「タミヤ君がそうしてほしいって思ったからだよ」
     言わずとも全て暴かれていく。
    「僕はタミヤくんの言う通りにする」
     こんなことさせちゃいけない。わかっているのに。
     首筋を撫でられる。理性を溶かすように、断つように。
     首の真ん中を親指がさすった。皆より目立つ喉仏を、俺の成長の証を。責めるように、愛おしむように。
    「やめないで……くれ」
     声を絞り出す。
    「わかったよ」
     手の触れたところに体重がかかる。さっきよりも強く、力が込められる。
     もっと、もっと強く。
     体が勝手にのたうつ。血で額が濡れる。
     苦しい。心臓が暴れる。涙が勝手に溢れてくる。
     ぼやけた視界の向こう側、ダフはなんだか満足げな顔をしていた。


     ――ガクン。
     身体が跳ねて目が覚めた。
     首をさする。痛みはない。額も汗で湿っているだけだ。
     寝転んだままため息をつき、腕で目を塞ぐ。
     夢だと知って、あろうことか俺は落胆していた。

     夢の中で言われた通り、俺が望んだのかもしれない。どうしたいのか、どうされたいのか。これからどうすればいいのか。ひとつもわからない。
     わからないけど、行かないでほしい。そんな顔して行かないでくれ。
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