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    chrosite_10

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    chrosite_10

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    はるけい。
    宝谷時代の葉流ちゃんと智将。
    これ(https://poipiku.com/10334480/10635915.html)の葉流ちゃん視点。
    レモンティーの話。
    自分の整理用の葉流ちゃん視点。"圭"がいっぱいですが、削るのは放棄しました。

    #葉流圭
    yeRyuKyu

    レモンティーの話(葉流火がみた世界) 都内によくある小型スーパー。その道路沿いに箱ごと置かれている特価の500mlペットボトルに入ったレモンティー。
     宝谷での練習の帰り道。圭と歩いて帰っていると、圭がそれを見た。
     たまたま視界に入ったんじゃなくて、その黄色いラベルを見た。
    「圭、どうしたの?」
     圭は昔から周りをよく見ていた。それが”観察”になったのは、最近だと思う。目に映るものたちを、いるかいらないか判断するようになった。いるなら、その意味だとか、どんなふうに■■■に影響するのかを考えている気がする。
     ペットボトルの飲み物は、今の圭にいらないはず。水分補給は今はしなくていいから。
     だから。圭に意思を持たせるその黄色いラベルの飲み物は、圭がいるものだ。
    「なんでもねェよ」
     否定する圭。そんなわけないと、じっと見れば。
    「CMで見ただけだ」
     それを──ヒマワリを透かしたような色をペットボトルをテレビで見たと、ため息交じりに答える。
     話は済んだとばかりに圭は歩き始める。圭の興味を引いたのに、避けるように歩いていってしまうから。
     気付いていたら、手に取っていた黄色いラベルのペットボトル。つるりとしたラベルは圭みたいに逃げそうだから、ほんの少しだけ強めに掴んだ。これは、圭に渡さないといけない。
    「は?」
     後ろで聞こえる圭の声と、店員のいらっしゃいませ、という声が混ざって葉流火に届く。
     レジ待ちの客はおらず、レジ台にペットボトルを置けばすぐにバーコードを読み込む音が店内に響く。スマホを決済端末にかざせば、店のロゴが入ったテープが黄色のペットボトルに貼られる。
     それを掴んで、店の外に出る。
     日が落ちてきたから昼ほどではないが、店内と比べると少し暑さを感じる。
    「圭」
     会計を済ませたペットボトルを圭に差し出す。
    「……お前が飲むんじゃないか」
    「飲んだら、怒るだろ」
    「それを俺に渡すのか」
    「飲みたいのかと思って」
     あつい日差しに当たっていた、このレモンティーを。
     圭がラベルの裏を見ている。圭は、食べ物に何が入っているかを気にする。栄養だとか添加物だとか、そういうの。自分が口にするものだけじゃなくて、葉流火が口にするものも見ている。
     それは不快じゃなくて。圭が自分のことをすごく、考えてくれてるというのが分かるから。圭は清峰葉流火をとても大事にしている。もしかしたら■■■■■も──
    「飲めばいいんだろ」
     圧をかけていたつもりはないが、そう取らなかったらしい。圭を見ながら、圭を考えていただけなのに。
     圭は何かを諦めたのようにキャップを開け、金色にきらめく液体を一口飲み込む。
    「甘いな」
     渋い顔だ。でも。その甘さを受け入れているのが分かる。目の光が、少し、優しい。
    「ほら」
     口が開けっ放しのペットボトルが差し出される。なんだろう。意図が分からないと圭を見れば。
    「お前が買ったんだろ」
     こんなイケないものを飲む共犯者にしてやると、視線で、口で、表情で、訴えられた。
     それなら。自分はその圭を信じるだけだ。
     自分は、圭が見せたい圭を受け入れるだけだ。
     ペットボトルを掴む。少しでも圭の■■を■■■■から、圭の指を掠めるように掴む。その手は少し冷たい。
     圭も飲み込んだ液体を、葉流火も飲み込む。圭が受け入れたものだから、大切に味わう。
    「……あまい」
     微かにへの字に曲がる眉と口。
     圭に菓子は食べるなと言われているから、甘い物を口にすることはほぼない。甘いといって、真っ先に浮かぶのがスポーツ飲料。あと、この間の給食で出たデザートも甘かった気がする。白いカップに入ってたのと、イチゴ味のソースがかかってたのは覚えている。デザートより唐揚げの方が美味しかったら、あんまりよく覚えていない。
     急に。圭がペットボトルを葉流火から取り上げようと腕を伸ばすから、反射的に上に持ち上げた。
     あ、なんか少し不機嫌そう。
    「葉流火」
     咎めるような声。
     飲みたかったわけじゃない。舌にざらつくように残る甘さも得意じゃない。けど。圭が■■■■■■ だと取り上げようとしているなら、渡しちゃダメだと。
    「俺が飲む」「ヤダ」「ぜんぶ、俺の」
     重ねる言葉。
     野球のことだったら、圭は許さないだろうけど。そうじゃないから、きっと許す。
    「……しょうがねェな」
     言って、圭はまた何か考えている目をし出した。きっと■■■のことだ。
     その内容を訊いたりはしない。誰よりも尊敬していて、前を歩いて葉流火を連れて行ってくれる圭なら、信じられるから。質問なんて、意味がない。
     ほら行くぞ、と背中を叩かれ、圭が先を歩いていく。
     道はもう薄暗い。でも、圭がいる周りはよく光って見える。見えなくても、圭の手を繋げばいい。
     そうして固いアスファルトを葉流火は蹴った。
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    chrosite_10

    DOODLE桐智。
    大学生で同棲設定。ふんわり設定。
    大阪弁はふんわり。単語が下品です。
    キスの仕方なんて知らない「要クン。一年経ったし、そろそろ白状してもらうで」
     圭と秋斗が二人で暮らすアパートのダイニングキッチン。そのダイニングテーブルで圭と向かい合い、秋斗はにこやかに笑いかけた。
     テーブルには酒を注いだグラスが二つある。グラスを満たしているのは以前知り合いから譲り受けて飲んだところ、圭の反応がよかった桃の果実酒だ。今日のためにわざわざ通販で取り寄せたその酒は、圭が白状しやすいようにとの秋斗なりの気遣いと、尋問するのは多少心が痛むのでその詫びを兼ねたもの。
     とろりとしたクリーム色の酒をグラスに注いだときの圭の目は、少しばかり喜色を帯びていたが、秋斗の言葉で一気に真顔に戻った。口が引き攣らないように努力している様子さえある。圭と大学野球部で共に過ごすようになってから早三年。二人きりのときはこうして表情が表に出るようになった。圭の思考は表情に出ていなくても概ね分かるが、出ている方が秋斗の好みだ。秋斗以外は圭のこんな感情を知らないという軽い優越感が理由の一つ。あともう一つは、本人が秋斗の前だけ表情筋の動きが違うことを理解していないのがオモロ……ではなく、可愛いからだ。
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