三番目「三番目ならいいですよ」
秋斗が圭に告白したとき、圭はさらりと答えた。曰く「俺の一番は葉流火。二番目は主人だから」とのこと。
その答えを聞いた時、「ほんなら、一番目と付き合えばええやん」と思わずツッコんだ。二番目は物理的に無理でも一番目とは付き合えるだろう。秋斗の目には一番目こと葉流火と圭は両想いに見える。秋斗じゃなくても、二人を知る人間なら同じように見えるはずだ。見えない人間はよっぽど二人に無関心か、同性間の愛を信じていないか、葉流火を野球サイボーグと思っているか、圭を神格化している人間だろう。
さて、そんな秋斗の至極もっともなツッコミに圭はといえば「葉流火を俺で汚すわけにいかないでしょう」と堂々とのたまう。
呆れたので「せやったら俺は四番目にしてくれや」と返せば「気色わりィこと言うんじゃねェよ」とガチめに叱られる。さすがの秋斗もへこむ。二番が主人なら、三番が智将自身となるのは自然で、そうしたら秋斗は四番目を狙うしかない。怒られたからもう言わないが。せめてもの反撃で「主人も同じ答えなん?」と問うてやると、圭は半眼になり「主人の方がひどいぞ」と呟く。圭と付き合う以上、聞かないという選択肢はないので先を促せば「俺が『三番目って言うんなら、三番目でいいんじゃない?』だそうだ」とのこと。確かに主人の方がひどいが、好感も持ててしまうので文句もつけられない。智将への愛のカタチが秋斗と似すぎているので。だから秋斗は諦めた。
「よう分かった。三番目でええで」