心の臓のすぐそばに─…そこにはもう、 おまえがいた。
最初に会った時は牢の中。
査定だかなんだかわかんねぇけど、とにかく俺の話を聞きに来たと堅苦しい難しい言葉べらべら並べて処刑執行人のナントカエモンと名乗る声になんだよ面倒くせぇなと欠伸しつつ寝っ転がったまま首だけ振り向けばそこにいたのは俺の腰くれぇしかねぇ童だった。
これまたちいせぇ手に持っていた提灯の薄明かりで見えたのは吸い込まれそうな真っ黒なデケェ瞳。目の下にある深くついている隈は子供のくせに何故こさえてなんだろうなとか蒲公英色のまんまる頭にひょこっとでてるアホ毛みてぇなのが動く度に一緒に揺れるのでなんかめんこいなとつい思うが、いやいやなんでこんな極悪人がいる牢屋に子供がいんだよと首傾げれば、お構いなしにその場にちょこんと座って調書の準備をし始めたのでおいおいと焦る。
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