帰りたい話「待ち合わせしません？」
　毎日ラボに引きこもりっぱなしの恋人が突然らしくないことを言うので驚いた。なんでも、ネットで面白そうな古書店を見つけたんだとか。
「先輩こういうの好きだろ」
　モニターに映し出された木造の蔵のような建物。いわゆるリノベーションと言われるものらしく、使われなくなった古い蔵をまるっと古書店にしてしまおうと企画されたものらしい。正直、興味ドストライクなお出かけ先を提示されてしまい、断る気も起きなかった。元より断る気などさらさらなかったが。
　しかしこうやって外に出ようとクルルくんから誘われる日が来るなんて思ってもみなかった。自分が引っ張ってもてこでも動かないくせに。何の思惑があるのかは知らない。が、その思惑に乗っかってみるのもありかもしれない。案外自分はこの非日常にわくわくしていた。

噬尾之蛇（一）“嘶～嘶～
金色的毒蛇杀掉神子
毒牙咬住了尾巴
蛇身化为时钟
蛇鳞变成刻度
嘀嗒嘀嗒时间流动
原地打转，循环不断”

这昰我房间的天花板吧，为什么死掉以后看到的还是这幅光景。勉强支撑着坐起来，身体一点力气都没有，死掉居然意外的累。
我环顾四周，这很明显是我的房间，拉上的窗帘、床头的书、只完成了一半的画作和落满灰尘的钢琴，全部都和那天早晨一样。我低头，手上仍满是被刻刀划出的伤痕。
这就是地狱？真可笑，原来我一直生活在地狱之中。
我拉开窗帘，阳光进入房间。我眯起双眼，已经好久没有见过这样的光亮了，一时有些不太适应。过了好一会，我终于可以看清窗外了，仍旧是那幅看腻了的花园景色。朝露反射的阳光让那些花瓣和嫩叶闪闪发光，鲜活的样子使我犯恶心。