輝くものたち「おふたりは長い付き合いだと聞いているので、友達の作法にも詳しいかと思って!」
「ですので、僕たちにも教えてください」
頬を紅潮させながらも、その瞳にはわずかに緊張の色が映っていた。可愛らしい2人の幼い魔法使いの言葉を聞いて、シャイロックとムルは顔を見合せた。お互いの瞬きを合図に2人は再びミチルとリケにに視線を戻し、笑みを返す。
「ふふ、友達のお作法ですか」
「ミチルとリケは面白い事を聞くね!」
「私たちのお作法では、お二人には少々危険かもしれません」
「あ、危ないんですか!?」
ふっと息を吐いて煙を燻らせるシャイロックの言葉に、ミチルは驚いてしまう。友情に危険は付きまとうのだろうか、と不安げに表情を曇らせる。一方のリケは、訪れるかもしれない未知なる危険との遭遇に目を輝かせていた。
「とっても危ないよ!でも、とっても楽しい!」
ムルは浮いたままひらりと宙返りをして笑ってみせる。そうしてシャイロックの隣に降り立ち、「そうでしょ?」と友人に問いかけた。