お相手に身を挺して庇われたら「ダメ♠ボク以外の奴に殺されるなんて絶対許さない♦」
運悪くデート中にヒソカを狙う刺客に襲われた2人。ヒソカにとっては大した事ない奴なのでお相手には指一本触れさせずに闘っていた。しかし攻撃を喰らいそうになったヒソカを見て思わず体が動いてしまったお相手がヒソカに飛びついて庇おうとする。これにはさすがのヒソカも驚きを隠せない。
「!」
お相手に押し倒された形になり、体を起こした時にはお相手は気絶していた。
「……くく……くくくく♣」
『な、何がおかしい!』
「ああ……おかしくてたまらないよ♦ボクも焼きが回ったみたいだ……こんな脆い玩具に守られる日が来るなんて……♥」
「でも、キミだけは絶対殺すよ。もちろん生きて帰れるなんて思ってないよね?♠」
さっきまでとは比にならない禍々しいオーラを放つヒソカに敵も怯む。
「ボクの玩具に掠り傷ひとつでもつけてごらん。タダじゃおかない」
ヒソカの顔から余裕のある笑顔が消え、瞳からも光が消える。少なくともお相手には見せたことのない冷徹な目で敵を見据える。
「ダメじゃないか♥せっかくのデートを邪魔した挙句この子にまで手を出すなんて……♥」
死んだ目をして口だけが裂けそうなくらい歪んだ笑みをたたえていて、敵は思わず逃げようとするがバンジーガムで引き寄せられる。
「逃がさないよ♣ってか逃げられないよ♦
ボクを殺すために相当頑張ったみたいだけど……無駄な努力、御苦労様♥」
敵はトランプですっぱり首を斬られて即死する。
「今日がフリーの日ならもうちょっと相手してあげられたのに……残念♥」
と独り言ちて血まみれのトランプを敵の死骸の隣に突き立てておく。
その後急いで近くに寝かせておいたお相手に駆け寄って必死に声をかける。
「ねえ起きて♣ボクは大丈夫だから♦お願い目を覚まして……」
今にも泣き出しそうな顔で目を覚まして、と言いながら体を揺さぶる。するとお相手がゆっくり目を開けたのでヒソカは思わずお相手をきつく抱き締めて名前を呼び、「怪我はない?痛い所は?」と尋ねる。ちょっと擦りむいちゃった、といって手のひらと膝を見せてくる。どうやらヒソカに飛びついて押し倒した時にできた傷のようだ。
「ごめんね、痛かったよね♠すぐ手当してあげるからね♣」
擦りむいただけなのにめちゃくちゃ心配される。近くの公園の水道で傷口を洗い流してくれて、一時的にドッキリテクスチャーで傷をなかったことにされた。その後薬局で消毒液とガーゼと絆創膏を買い、ドッキリテクスチャーを剥がした傷口を懇切丁寧に治療される。そこまでしなくても…ってお相手に言われても「化膿したら大変でしょ♠」と言う。
「ごめんね……せっかくのデートだったのにボクのせいで台無しにしちゃった☠」
今度埋め合わせするから、としゅんとした顔でものすごい謝られる。一切気にしてないお相手は元気だして?って慰めるが、ヒソカがしょぼくれた大型犬みたいに見えてなんか可哀想&可愛くてキュンとしてる。気にしてないよ、と言ってヒソカの頬に軽くキスをすると目を見開いて固まってしまう。
「キミって子は……♥」
ほっぺにチューされただけでさっきまでのが嘘のように元気になったヒソカ。その後はヒソカの自宅でお家デートに急遽プラン変更となった。
「キミが大した怪我してなくて良かった♣けど約束して?もうあんな危ない事はしないって♦」
もうしないよ、と言うお相手と指切りする。そしてお相手を抱き寄せて囁く。
「キミはボクのモノなんだから、ボク以外の奴に傷つけられたり殺されたりするなんて絶対許さない♣
キミを傷付けるのも殺すのも、この世でただボク一人なんだから♥」
独占欲と支配欲と執着心にまみれたクソデカ「愛情」を向けられるお相手なのでした(完)