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    Ca_T_09_77

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    Ca_T_09_77

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    いただいた絵を元に……書きました!

    2pスナ ③ ぺひゅ、と気の抜ける音。ムーミンの眉がしかめられたのち、プヒュゥという表現が1番近い空気のから回る音。

    「スナフキン、もっと強く吹いてみたら」

    ムーミンのアドバイスに無言で頷いたスナフキンが思いっきり息を吸ってハーモニカを吹く。

    その途端、木々に止まっていた小鳥たちは一斉に悲鳴のような鳴き声を上げて飛び立ち、お世辞にも上手いとはいえない、ほとんど空気が出ていく音しか聞こえないハーモニカの音色で目を閉じていたスニフが飛び起きた。

    「……極端なんだよ」

    耳を塞いだムーミンが何度目か分からないため息を吐いた。

    「そのうち吹けるようになるわ、スナフキン」

    しょんぼりとした顔を隠さずにハーモニカから唇を離したスナフキンをミイが慰める。このやり取りもいつものことだ。

    「君が触って壊れないだけ、そのハーモニカはいいハーモニカだよ」

    スニフの慰めなのか貶しているのか分からないような言葉を素直に慰めとしてとらえたらしいスナフキンはもう一度吹きはじめる。

    ピヒィ…
    プヒュ……
    ビ…

    黙って聞いていたムーミンはまたもや口を出した。

    「ごめん、本当に悪いけど1回笑っていいか、スナフキン。ハーモニカの出せる音じゃないだろ」
    「笑わないでくれよ。頑張ってるのに」
    「っふ…ごめん。後で笑うことにする」

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