じろゆう「慣れとは実に」 佑理は手袋やチョーカーなど、睡眠に必要のないものを外しつつ次郎の方に振り返った。
窓の外は暗く、短針は天辺を通り過ぎている。
「いいですか、次郎くん。
僕たちの稼動時間はすでに24時間を超え、決して効率がいい状況であるとは言えません。
そのため、可及的速やかか眠りに落ち、脳の回復する最短の時間で起きる必要があります。
ここまではわかりましたか?」
「はい、とにかく眠ればいいんですよね?」
次郎はそう淡々と答え、そのままの格好で仮眠用ベッドに横になった。
この狭い部屋は仮眠室として使われており、服をかけるハンガーや壁際に置かれた質素なベッドなど必要最低限なものが置かれている。
お互いにここを使うことは初めてではないのだが、二人同時にとなるとあまりあることではなかった。
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