アダム視点
気怠げな朝は地獄にいるこの身にも平等にやってくる。昨晩、優しく嬲られた体は、まだ少し発熱していた。
肌寒さで目を覚まし、隣にあるはずの気配を探るが、いない。
慌てて起き上がり、毛布を捲るが、そこにあるはずの熱はとうになくなっていた。どうやら先に起きたらしい。
「……仮にも夜を共にした相手をベッドに置いていくなんて、最低野郎だな」
とにかく体が怠い。あのノンデリクソチビ野郎が好き勝手に人の体を貪るからだ。
苛立ちを募らせつつ、もう一眠りしようと毛布を被り直す。
疲労でうとうと微睡んでいると、ノックもなしに部屋のドアが開いた。
ドキリと心臓が跳ね、急いで目を瞑る。
ベッドに近寄る足音にドキドキとしながら、努めて呼吸を整えた。
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