ハインラインの初めの印象は、よく分からないなんかおかしな人、だった。
外見は人を寄せ付けない綺麗な人形のように整っていて、しかしそれがひとたび口を開いて話し始めると、すごい早口でこちらが理解できていないことでもお構いなしに捲し立ててくる。
対人関係における距離感や気づかいみたいなものも、知らないのか敢えて省いているのか、その勢いにただただ圧倒されて、正直引いていた。
ただ熱意というかそういうものだけは伝わってきて、言っていることはよく分からないけれどその熱意自体はすごいと思っていた。
初めは頭がいい人間の考えることはよく分からないと苦手に思っていたが、少しずつ交流が進むと、見え方が変わってきた。
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