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    syuya_huhuhuhu

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    ウェブオンリーおめでとうございます!
    拙い作品ですがぜひ読んでいただけたら…!!

    ⚠️司のみ女体化しております!

    少女漫画でよくあるヒロインのピンチに絶対駆けつけるやつを念頭に置いて書いてたんですけどなんかそれっぽくなりませんでしたね😏🤯

    #りつかさ
    #りつかさ真ん中バースデー

    「ス〜ちゃんが何言ったってずぅっと俺と一緒なんだから。」朱桜家直系の子女として生まれた司は、産まれた時からなんだ女か、男では無いのか、など心無い言葉を浴びた。けれども卑屈にならずしっかりと自信を持って前を向いて歩けているのは確実に両親のおかげだろう。司の両親は昔から司に「性別に左右されることは無い」「司は司のやりたいように」と教えてきた。朱桜家の跡取りとして時に厳しく朱桜夫妻の娘として時に愛情深く育てられた司はそれはそれはもう立派な淑女として成長したのだった。自分より幾分上の立場の人に物怖じせずにしっかりおかしいものはおかしいと意見できる程度には。

    目の前に置かれる書類を人差し指でとんとんと叩きながら下品ににやつくスポンサーは、今なんとあったのだろうか。
    「すみません。聞き間違いでしょうか?もう一度仰って貰ってもよろしいですか?」
    「朱桜司くん、君もKnightsのリーダーとして身の振り方があるだろう?あまり僕たちのような身分に楯突こうとするのは感心しないねぇ」
    聞き間違いを期待して聞き返した言葉は呆気なく繰り返され、また権威を振りかざして言うことを聞かせようとするのかともはや感心してしまう。先王月永レオから受け継ぎKnightsの新王となった司は1年前とは比べ物にならないほどこのような営業をかけられる。
    「つまり私に枕をしろと?そう仰っているのですか?…以前から感じていましたけど。こうも舐められた態度を取られるのはいくらスポンサー様と言えど感心しませんね」
    ユニットの先輩の言葉を借りるならばチョ〜うざぁい!である。司が憧れ、追いついて轡を並べたいと思ったKnightsはこんな営業をしないと仕事を貰えないようなユニットでは決してない。先輩たちがバカにされているように感じて憤りを覚える。
    「怒ってるの?最初はみんな嫌がるけど大丈夫だから。」
    そう言って司のセミロングボブの綺麗に手入れが行き届いた髪をひと房するりとなで上げる。大丈夫とか、大丈夫じゃないとか、そういう問題じゃないのになぜそれが分からないのだろう。お前が触ったこの髪だっていつも頭を撫でてくれる先輩たちが綺麗だねと褒めてくれる。特に凛月は綺麗な指で髪を梳いてくれて、ヘアアレンジをしてくれることだってある。子供扱いされてる気分になる時もあるがそれが嬉しくて手入れを頑張っているのに、お前のためなんかじゃ決してないのに。しかもここはESのオープンミーティングスペース。こんな開放的な誰に聞かれるか分からない場所でこんな話をするなんて。誰に聞かれてももみ消せると思っているような考えが透けて見えるのがもっと腹立たしい。
    二度とこんな人間と関わるのはやめよう。スポンサーだとしてもこのような品性のなさでは今のテレビ業界で生き抜いていくには難しそうだし。そう考えてこの一瞬をどう切り抜けるか思案した。どうせもう二度と関わることもないから今この場で逃げ去ってしまってもいいがせめてもの礼儀だろうと思ったからだ。けれどその時スポンサーと司の距離がグッと離れた。背後から誰かに肩を抱かれ、ぎゅっとホールドされてしまう。誰?と思うまもなく嗅ぎなれた匂いに力がふと抜ける感覚がした。恐らく、きっと_
    「すみません、朱桜はこれからKnightsで仕事があるので。今日はこれで失礼します」
    「凛月先輩…」
    司の手を取り椅子から立たせるとスポンサーに背を向けると早足で歩き出した。Knightsのリーダーである司はメンバーの仕事の大体を記憶している。なぜここにいるのだろうか、いまは撮影の仕事があったはずだ。これからKnightsでの仕事なんてなかったはずだし…。あまりに急な出来事に頭があまり回らず、どこに向かっているのかも分からなかったからただ名前を呼ぶしかなかった。
    「どこへ行くんですかっ?りつ先輩?凛月先輩!」
    「ス〜ちゃん」
    「急にどうなさったんですか?今は撮影のお仕事なのでは、」
    「ス〜ちゃん…!」
    あのスポンサーと一緒にいたオープンミーティングスペースからはもうだいぶ距離ができているのではと言うところで凛月は足を止めて司の方を振り返ると力強く抱きしめた。仕事はどうしたのだと尋ねる司にそんなのはどうでもいいとばかりに抱きしめる力が強くなる。
    「無事でよかった、ほんとに心配でどうにかなりそうだったんだよ、」
    「すみません、まさかあんな場所で営業をかけられるとは思わず…」
    「ほんとにね。ス〜ちゃんがあんな奴に手を出されるなんて殺しても殺し足りないんだけど」
    聞けば撮影の休憩中にスタッフから司と件のスポンサーが話しているところを見たと聞いたらしい。凛月はスポンサーと面識がなかったが噂話は流れてくるもの。アイドルや若手新人女優に好き勝手していると聞いていつどこで司に声がかけられるか気が気ではなかった凛月は常に目を光らせていたとのこと。
    自分が思っているよりもずっと大切にされていることに気づいてなんだか照れくさくなってしまった司は自身も凛月に気持ちをぶつけたくなった。ここに人は2人以外いないし、少しだけ、ほんの少しだけ2人だけで過ごすときの雰囲気で伝えてしまおう。
    「助けていただいてありがとうございました。ね、凛月さん。誰に何を言われても私は凛月さんのものですし凛月さんも私のものです。」
    「…!?」
    そうでしょう?と凛月の耳に吹き込むとまたもやぎゅうっと抱き込まれてしまった。
    「俺しか選ばないって分かっててもス〜ちゃんが変なやつらに狙われないか心配なの〜。もう、ちゃんとわかってよね?」
    抱き込まれてしまって顔は見られないもののちらりと見える耳は赤く染っていて思わず微笑んでしまう。このあと、自身がもっと赤くなることをまだ知らない司に凛月は囁いたのだった。
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