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    Rhea_season

    @Rhea_season

    短文練習場and長文の呟き置き場
    現在、風花雪月ディミレト多めのレト推し
    先生の予後を見守りたい人。
    ほぼ捏造なので、なんでも許せる方向け
    のんびり穏やかな作風を好み、ハピエン厨
    R18はあまりありませんがご注意ください。

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    Rhea_season

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    王国√ディミレト
    未来捏造のため、何でも許せる方向け
    何事も致していないので、レトディミにも見えますが、私がディミレト推しなのでそう言う感じです。

    短文練習中に綴ったものなので短いです。
    メモ帳からベタ貼りしたので、
    読みづらかったらごめんなさい。

    パスワードかかってますが、
    Xのプロフを参照してください。

    #ディミレト
    dimSum

    噂の風も遠くに消える月が庭園を柔らかく照らし、葉や花がその光を静かに反射している。噴水の水音が心地よいリズムを刻み、夜風がほんのり冷たさを感じさせた。その中でベレトは静かに立ち、夜の気配を楽しむように目を閉じていた。

    背後から軽やかな足音が近づいてくる。振り返ると、外套を纏ったディミトリが立っていた。わずかに頬が赤く、どこか急いできた様子だった。

    「ここにいたのか、先生。」
    彼の低い声が静寂を破る。いつも堂々とした彼も、今夜はどこか落ち着かないように見える。

    「どうしたんだ?」
    ベレトはいつもの穏やかな口調で問いかけた。ディミトリは短く息を整えながら、一瞬視線を彷徨わせる。それでも次の瞬間にはしっかりと目を合わせてきた。

    「いや…その……俺が婚約するって噂、聞いたか?」
    その声には、どこか申し訳なさそうな響きがあった。

    「ああ、聞いたよ。」
    ベレトは眉一つ動かさずに答える。相手を疑う気配は微塵もなく、むしろその声には柔らかな信頼が漂っていた。
    「でも、本当だとは思ってない。お前が何かあれば、きっと直接教えてくれると思ってるから。」

    ディミトリの肩が僅かに下がる。それは緊張が和らいだ証のようだった。
    「……やっぱり先生にはかなわないな。」
    彼は小さく息を吐き、続ける。
    「噂を否定しに来たんだが、どうやらその必要もなかったみたいだ。」

    その言葉には苦笑が混じっていたが、どこか焦りも残っていた。そして、ふと声を低め、少し言いづらそうに口を開く。
    「それでも……俺にはお前だけだって、それだけはちゃんと伝えたくて来たんだ。」

    その言葉にベレトは一瞬だけ黙り込む。そして、噴水の水音に紛れるように小さく息を吐き、微かに笑った。ディミトリを見上げるその目は少しだけ呆れたようにも見える。

    「そんな理由で来るなよ。」
    そう言って一拍置き、さらに言葉を続ける。
    「……会いたいと思ったから来た、そう言ってほしい。」

    ディミトリの目が驚きに見開かれた。彼は何か言おうとするが、思わず視線を逸らし、低く短い笑い声を漏らした。

    「……悪い。そうだな、先生の言う通りだ。」

    その表情には少し照れが混じっていて、ベレトの微笑みをさらに深める。

    「次からはそう言ってくれ。」
    柔らかな声の中にも、どこか親しい温かさが滲んでいる。その言葉にディミトリは静かに頷き、わずかに微笑んだ。

    「もちろんだ。今日だって会いたくて来たのは間違いない。」

    ディミトリはそう言いながら、ベレトをそっと抱き寄せる。驚くように目を丸くしたベレトだったが、すぐに力を抜いてディミトリを受け入れた。そして、彼の頬にそっと口づける。

    二人はふと顔を見合わせた。互いの表情を確かめるように一瞬見つめ合った後、どちらからともなく小さく笑い合う。その笑みは、言葉よりも多くの気持ちを伝えていた。
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    PROGRESSベレトの眷属にならなかったディミレトの幸せについて考えた、二人の約束についてのお話です。転生を含みます。【約束の果てに 2】

     かつてアドラステア帝国、ファーガス神聖王国、レスター諸侯同盟領、セイロス聖教会の四大勢力によって保たれていた均衡は、フォドラを呑み尽くさんとした大戦火の末に瓦解した。四勢力は国を廃し領と改め区分され、それらを統合して一国とし、フォドラ統一国と名を定めた。
     戦火の爪痕は凄まじく、傷を負ったのは目に見えるものばかりではなかった。二度と戻らない命を嘆く人々の慟哭は、フォドラの大地を空を震わせた。彼らは涙に暮れ、身を寄せ合い、何度眠れない夜を過ごしただろう。
     そんな彼らの肩を叩いたのは、傲慢磊落なアドラステア皇帝を打倒したまさにその人である。ファーガス神聖王国国王ディミトリは人々から解放王と呼び讃えられ、戦場で縦横無尽に槍を振るったその辣腕を今度は復興と泰平のために奮ったのである。戦争を共に越えた仲間たちも彼らの王を力の限り支え、新しい世のために骨身を惜しまず力を尽くした。
     そして、王と足並みを揃え、未来への道を共に作る人がガルグ=マクにもあった。それはフォドラ解放の立役者であり、セイロス教会大司教の座を託されたベレトである。国を引率するものたちのかつての師でも 9041

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