フル傭供養荘園が春であろうと、この場所にはいつも雪が降り積もる。
直接的に寒さを感じることはないが視覚的な気持ちから、参加する者サバイバー、ハンターを問わず衣服を多く着込むことが多い。
着膨れて動きにくくないかと思うと同時に俺自身もいつもの服で居る気にはなれず、上下長袖の中でまだ視認性の高くない物を着ることにした。
とはいえ、あまり、この灰色の軍服は好きではない。
試合自体は俺の肉壁もあって三逃げが確定し、後は俺がハッチ逃げをするかゲートから出るか、諦めて投降するかだったが追いかけてきていたフールズ・ゴールドが突然提案を寄越した。
『どうせ負けで追いかける気にもなれないから、ぐるっと一周してから出て行って』
この言葉通りにする義理はなかったが何となくそれを受け入れた。
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