「硝子、何読んでんの?」
ガタガタと音をたてて自分の椅子を引き寄せると、五条が覗き込んでくる。その距離の近さにややウンザリしながら、彼の子守役の男を探したが、教室内には見当たらなかった。
「ファッション誌。付録が欲しくて、コンビニで買ったんだけど、五条見る?」
「俺が見てどーすんの?」
と言いながらも、どうやら手持ち無沙汰だったようで、五条はペラペラとページをめくり始めた。この服は硝子に似合いそう、だの、猫カワイイだの、新発売のこのお菓子が美味しそうだの、他愛もない話で盛り上がる。
「どうでもいいしすぐ忘れちゃうんだけど、最後のほうの星座占い、つい見ちゃうんだよなぁ。ちなみに五条、何座?」
「俺?誕生日12月7日だから…何座?」
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