キミとボクのお出かけ計画が潰れた日。「··ふっ、百面相」
「いやいやいや、笑うところじゃない。」
大人になってからも孤爪くんは孤爪くんで、「台風が来たなら来た、でしょうがないんじゃない」と冷静に言葉を伝えてくる。
それに対して、駄々をこねているのは私だ。
「えー、でもさー」なんていいながならダラダラしている。
それで、私の返答を聞いた孤爪くんが心底うんざりした…ゴミでも見るかのような目を向けてくる。
「…ごめん。もう、大人だもんね。」
そう言うと、孤爪くんは一度視線を床に落としそれからしっかりとこっちを見つめて両手を広げる。
「…はい。」
「え、と…」
「…こう言うときは、ハグしてあげるのがいいってショーヨーが言ってた。…実際、ホントは…オレも〇〇が楽しそうに考えてたお出かけできなくて、ちょっと、ザンネン。」
言葉を選ぶように、こっちの様子を伺うように口にする孤爪くんがなんだか可笑しくて、広げられた腕の中に飛び込んだ。
「ぐぇっ、苦しい…」
「ごめん、」
「うん、次からもう少し加減して。」