夜中と呼ぶべきか、早朝と呼ぶべきか、迷うような時間帯だった。作業を終えてリビングに出ると、暗闇の中に大きなまるい固まりが見えた。
　夕飯を終えて部屋に戻った時にはなかったそれを不思議に思い、近づいてみる。
「…あ」
　ルカだった。
　まるいのはコートで、ルカはそれに埋もれて、ふー、ふー、と息をしていた。表情は伺えない。けれど、真っ白だったコートが黒く汚れていて、ああ、何かあったんだなということだけ察せられた。
　ソファに腰を下ろして、ルカを眺めた。ふー、ふー、という息遣いは変わらないまま、それでも僕を意識して、わずかな緊張感が彼を包んだように見えた。
「おかえり、ルカ。遅かったね」
「………」
　返事はない。まあ、それくらい別に気にしない。返事をすることすら面倒なときもあるだろう。特にルカは、僕みたいに一人で完結できる仕事でもないし、ほら、人間関係とか、いろいろ。

《當花盛開時》#1
　　Shu第一次見到Luca是在他五歲的生日宴會上，他被金城家的家母牽著小手，左右兩側簇擁著保鑣，帶到了Shu眼前。

　　如菖蒲花般的紫色雙眸帶著咒術一族特有的神秘，Shu穿著在正式特殊場合才會穿的狩衣，靜靜地看著躲在少婦身後的金髮男孩，直到被母親輕拍後背，男孩才稍稍站了出來。

　　「這孩子往後還請您多加照護了。」
　　「嗯。」

　　金城家母簡單寒暄過後，便先帶著一些保鑣離開，留下男孩抓著自己的衣角，一雙乾淨的眼睛咕碌咕碌轉，不知如何是好。他抬頭看向眼前的人，想起母親特別交代這位是以後輔佐自己的咒術師大人，年紀尚小的他還不懂輔佐是什麼意思，但他知道必須有禮貌，不論是因為母親的交代，還是眼前的人給他的感覺。