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    shigu04x

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    shigu04x

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    アキイト
    アキラくんはちょっとライトさんを困らせるというか、悪戯するの好きだよね。
    自分より年上で体格良くて強い相手がたじたじになっている姿にちょっといいな、可愛いなってなっちゃうんだよね。

    「…ライトさん、来ないな…」

    今日はルミナスクエアでライトさんと会う約束をしていたが、待ち合わせ時間を過ぎても一向にライトさんが来る気配がない。
    もちろんメッセージを送ってみたが返事もなければ既読もつかない。
    だけどライトさんが約束を破るはずもないし、連絡も無しに遅れるような人ではないと思っている。
    ともなれば考えられるのはライトさんに何かあったか…。
    待たされている苛立ちよりも不安が勝りそわそわと落ち着かない。
    心配で様子を見に行こうにもライトさんがどこにいるか分からないし、待ち合わせ場所を離れる訳にもいかない。

    もう一度メッセージを送るか…、それか電話を掛けてみようか。

    そう思いスマホに目を落とし電話を掛けるボタンをタップしようとした時、何かが影を落とし手元が暗くなった。
    視線を上げると走ってきたのかほんの少しだけ息と髪を乱したライトさんがいた。

    「悪い、待たせたな…」
    「ライトさん!…何かあったのかい」

    ようやく現れた待ち人に安堵したのも束の間何かに巻き込まれていたのではと心配し遅れた理由を尋ねる。

    「いや…、いつもの事なんだが、こっちに来る途中でタチの悪い連中に絡まれちまった。それの相手に思ったよりも時間がかかって…、すまん、心配まで掛けたな」

    何となく予想はしていたがそれが的中した。
    ライトさんはよく絡まれているから、今回もそうじゃないかと思ってはいた。
    ライトさんも好きで絡まれている訳ではないし、心配はすれど約束に遅れたからと怒ったりはしないが。
    ぱっと見た感じ怪我とかも無さそうな所を見て、申し訳無さそうにしているライトさんを前にほんの少し悪戯心が芽生えてしまった。
    ライトさんが悪くないとは言え、連絡も無しに結構な時間待たされてしまったのだ。ちょっとくらい僕は良い思いをしてもいいんじゃないか。

    そう考えれば僕は腕を組むと態とらしく大きめの溜め息を吐く。

    「…そっか」

    そうして素っ気ない返事をすればライトさんは僕のそんな様子に気付くと気まずげにマフラーに指を掛けて視線を泳がせる。

    「…怒ってるか?…まぁ、それもそうだな…だいぶ待たせたんだ…」
    「そうだね、だいぶ待ったし連絡も取れなかったから不安だったし」
    「本当にすまん。…どう詫びればいい?」

    以前もわざと怒ったふりをした時にライトさんは同じように戸惑って怒った人を目の前にどう接するのがいいのか分からないと言っていた。
    だから今もどうやったら僕の機嫌を直せるか分からないでいるのだろう。

    「ライトさん、僕のお願いを一つ聞いてくれるかな」
    「ああ、もちろん。俺に出来ることなら何でもする」
    「じゃあ、ライトさんからキスして欲しいな」
    「わかっ……、あ?…いや、今…か?」
    「そう、今だよ」

    意外な要望だったのだろう。一度了承しかけたが理解すると途端に目を丸くした後に困ったように眉を垂らす。

    「大丈夫、今は他に人もいないし」

    今いる公園には僕たち以外には誰も居らず、誰か来る気配もない。
    人目が気になるというのなら今の所は問題ないだろう。

    「ほら、早く。誰か来てしまうかも」

    うんともすんとも言わなくなったライトさんを急かすと意を決したのか一つ咳払いをした彼は僕に一歩近付き肩に手を置けば顔を寄せて軽く唇を重ねる。そして直ぐに離れようとするライトさんの後頭部に素早く手を回し阻止する。

    「それじゃ物足りないよ」

    ぐっと頭を引き寄せて深く口付ければライトさんのくぐもった声が少し洩れて、肩に置かれた手はぐっと僕の上着を握る。
    半ば強引に舌を差し入れてライトさんの舌を探り当て絡ませると驚いたように舌が一度引っ込みかけるもそれ以上逃げもしないのは僕を待たせ怒らせた罪悪感からか。
    あまりこれ以上困らせるのも可哀想かとある程度堪能しライトさんを解放すると来た時のように少し息を乱し頬を赤らめ、口元を手の甲で覆うと小さく吐き捨てた。

    「ああっ…くそ、…こうなるのが分かってたから嫌だったんだ」

    やり過ぎただろうか。
    嫌だったという言葉が聞こえ流石に僕も焦って、本当は怒っていなかったと
    謝ろうとした僕の言葉を遮った彼の言葉は衝撃的なものだった。

    「ごめんライトさん、本当は怒ってなんか…」
    「もっと、…あんたのことが、欲しくなった…」
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