outsider my own服部の髪が切り落とされる前、最後に顔を合わせたのは、スタンドの最高責任者と元責任者として、菅野参事官逮捕の一件に関する報告を取りまとめた最終日のことだ。その時は怒涛の慌ただしさの中で、各々が自分の仕事と並行して事後残務を片付けていた。おそらく庁内勤務の面々にとっては日常茶飯事なのだろうが、服部はとりわけよく動き、残務処理は驚くほど手早く片付いた。
「どうだった」
「何が」
「会ったんだろう。伊田正義に」
桧山を含む関係者全員が「それどころでなかった」中、一段落ついたところでその話題を切り出したのは桧山だった。煌々と灯りのついたオフィスの一角の、役を終えて照明も落とされた室内には、桧山と服部だけが残っていた。
3105