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    syunenmei5

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    syunenmei5

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    頭副
    斬愛

    好きという感情に理由付けがいるだろうか。
    触れて、見つめて、それから。
    それから。

    「っはは! 楽しいな! そうだろ頭目さん‼」

    暗闇を切り裂く火花に笑う。
    高らかに、心から愉快に笑う。
    楽しい。楽しい。
    この斬り合いが、逢瀬が、楽しくてたまらないのだ。

    最初はただの討伐だった。
    黒雲会のシマに現れた目障りな組織を潰そうってんで、結構本気で綺麗に片づけてしまおうと思っていたんだ。
    噂通り腕の立つ連中なら尚更うちの脅威に、引いては“上“の不都合に繋がってしまう。そうなれば結局うちが責任を取らされるのは目に見えている。

    建前は義務だから。
    本音は、どのくらい腕が立つのか知りたくて。

    前線一踏。
    散々切り込んみ、切り捨てた先で、ついに出会った。
    出逢ってしまった。
    ひと目であいつだと分かった。
    最初からあいつ以外目に入らなかった。

    アレが件の頭目。
    一番の手練れ。
    始めて切り結んだ瞬間に響いた爆発的な激情を、全身がとろける甘美な歓喜を、俺は生涯忘れることは無いだろう。

    「はは! はははっ!」

    愉しくてたのしくて楽しくてしかたない。
    全てをそれにつぎ込んで命を賭け続けるのが、もう、たまらない。
    そんな俺に対して頭目さんも傘の隙間から笑っていた。
    獰猛な目つきに蒼い閃光を濃くしながら、鉄仮面でも覆えない悦楽を纏い重く精密な一撃を繰り出す。
    不可避の死線にむしろ突っ込み急所を刀で強引に反らす。あちらも分かっていたのだろう、即座に手の内を返して次の一撃……否、連撃を繰り出して来た。
    髪数本を犠牲にして正に間一髪で回避する。
    肝が冷えるギリギリの戦い。
    僅かにずれるだけで全て崩壊する完全完璧な剣戟。
    重く激しく、お互いをがりがりと削り合いながら極限の緊張の中で舞い踊る。

    狂ったように。
    悟ったように。

    誰にも手出しさせない舞踊を演じ続ける。
    愛を以て見つめ続ける。
    恋するように駆け抜ける。

    脇腹がえぐられた。だからなんだ。
    足を深く刺した。だからなんだ。
    そんなことじゃあ終わらない。
    そんなことで終わらせはしない。
    俺と彼だけの死線を奪わせはしない!

    再び彼の胸へ飛び込んでいく。まだ夜は始まったばかり。
    愛しい愛しい我が御宿敵のもとへ、さぁさいざいざ、勝負!
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