おこして セットしておいたスマートフォンのアラームが鳴り響いて、目を閉じたまま手探りでうるさいそれを乱雑に掴み取る。いつもと違うシーツの手触りに一瞬はたと動きを止めてから、昨晩は悠真の家に泊まったのだと思い出してアキラはようやく目を開けた。
今にも閉じそうな薄く開いた瞳でアラームを止め、時刻を確認する。普段のアキラのゆったりした起床時間を考えると起きるには些か早い時間だった。遮光カーテンのお陰か部屋は薄暗いが、そも日が昇ってからいくらも経ってはいない――とはいえ、このアラームをセットしたのは他でもない昨夜の自分である。
アキラはくあ、と欠伸が漏れる口元を手で押さえて柔らかなベッドから体を起こすと、隣の温もりに腕を伸ばした。薄い上掛けに身を包んだ悠真の肩をそっと揺すってやればむずがるような声が上がる。
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