銀高ssエイプリルフール。嘘をついてもいい日。でも、午前中だけとか、色々ルールがあるそうな。
「嘘ついていい日、ね。全くどれだけ日本のカップルはイチャつく口実作りゃあ気が済むんだよ。」
朝のモーニングショーを観ながら銀八が面倒くさそうに言った。いや、別にカップル限定のイベントじゃないだろ。言ってもよかったが、咀嚼中だったので止めた。
「ハーーアホらし。こんな事しなくても俺と高杉くんはラブいから問題ないね。あ、そろそろお天気お姉さんの時間じゃん。」
やべー見逃すとこだった、とチャンネルを変える銀八。口の端にパン屑が付いてる。
『本日の占いで〜す!エイプリルフールなんてくだらね〜と言いながらパンを食べているそこの貴方!今日失恋しま〜す!』
なんだそれ。相変わらずめちゃくちゃな占いだなと思いながら牛乳を飲んだ。
「………た、高杉くん。」
「?」
「オレ、実は糖尿病の数値、良くなってたわ……。」
さっきまでお天気お姉さんにウキウキしていた銀八が、今度は引き攣った顔で言った。糖尿病一歩手前とは言われていたが、そうか、良くなってたのか。
「へえ。そりゃよかったな。」
「……。」
「……。」
「ウ、ウソでぇ〜す!騙されたな高杉!ハハハ!」
高笑いする銀八。これで失恋は回避だ!と訳のわからない事を言っている。
でも、嘘か。
「残念だな。」
「え。」
「お前と長生き、出来なくなる。」
残っていた牛乳を飲み干して席を立つ。皿を流しに置きながら、そう言えば糖尿病ってどうしたら罹らずに済むのか知らないなと気づいた。「お前が早死にしたら嫌だから。料理、勉強してみるか……。」
「高杉。」
呼ばれて、後ろを振り返る。銀八がいつになく、真剣な目をしていた。
「俺、治すから。高杉との二人の夢を叶える為に。」
「夢って。大袈裟なやつ。」
そのまま抱擁を受けとめて、ぎゅうと抱き合った。
エイプリルフールだって言ったら、どんな顔するだろうか。
別に嘘でもなかったから、そのまま黙っておいた。