銀高ss駅前の噴水広場。いつもの待ち合わせ場所で噴水の音と家族連れの賑やかな音を聞きながらアホを待っている。
約束の時間から五分経過。時間にルーズなのは毎度のことだ。あいつ人混みがどうとかと言っておいて、一人にさせるのはいいのか。だったら夏祭りだってよかったじゃないか。未だ消えない未練と銀時への呆れでため息が出た。
朝九時だというのに外の気温は既に汗をかく程度まで上昇を始めている。そろそろ日陰にでも移動しないと焦げてしまいそうだ。全く、飲み物の一杯でもあのアホに奢らせないと気が済まない。避暑の為に腰を上げると、丁度銀時が改札から出て来るところが見えた。
「遅ェんだよアホ」
「わりー。松陽にごちゃごちゃ詮索されてさあ。躱してたら遅くなった」
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