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    ⚠︎︎コガネガワ夢 交換する話3

    ※初手から捏造いっぱい

    4月○日
    今日は入部届けを出した!
    バレー部に入ろうと思ってる!
    俺、身長それなりにあるから誘われてさ、見学もさせてもらったんだ!
    バレー部の先輩たち、すげーかっこよかった!
    俺もあんな風になりたい!
    体動かすのは好きだけど、バレーやるのははじめてだからワクワクしてる!
    ミョウジちゃんは、何部に入るんだ?もし決まってたら教えてくれ!

    「部活、かぁ……」

    気になって気になって休み時間にこっそりと見てしまった例のノート。
    「おはよう!これ、書いてきた!じゃ、また後でな!」といつもよりバタバタしていたのは、朝練に行くからだったのだろうと今納得した。
    そうか。黄金川君、バレー部に入るんだ。
    それにしても、全部語尾に!マークが付いていて面白い。文にも性格出るよなあと思いながら”部活”の二文字に目をやる。正直、今回も帰宅部かなあと思っている。部活となると嫌でも人との関わりが発生するからだ。作業する時はひとりでいたいタイプである私には、どれも向いていないように思う。ましてや運動部なんて、チームスポーツがほとんどだ。仲間意識とか連帯責任とか、私が最も苦手とするところである。

    (…黄金川君がバレーしてるとこは、見てみたいかも…)

    なんて考えがふと過ぎった。あ、でも見てるとこ見つかったら気まずいなあ…バレー部の方々に認知されるのもなあ…やっぱりやめておこうか。
    とりあえず返事をしよう、とシャーペンを持ったところでふと我に返る。教室内で書くのはさすがに恥ずかしいじゃないか。誰かに見られたらたまったもんじゃない。キョロキョロと周りを確認し、急いで鞄の中にノートをしまう。クラスメイトたちは談笑していたり次の授業の準備をしていたりで、特にこちらを見ている人はいなかった。セーフ。
    だめだ、やっぱり浮かれているのだ。まだ一日の半分も過ぎていないのに、ノートのことで頭がいっぱいだった。さっさと授業に集中してくれ私。





    4月‪✕‬日
    黄金川君、バレー部に入ったんだね。今日も部活があったのかな。お疲れ様。
    こうして黄金川君と交換ノートをしているなんて未だに信じられないけど、あの時いいよって言ってくれて嬉しかったです。
    部活は、まだ決めてないんだ。というか、入らずに帰宅部やってると思う。
    だから、授業だけじゃなくて部活も頑張ろうとしている黄金川君を尊敬しています。
    バレー初めてってことは、それだけで覚えることが沢山あるだろうし、練習とかトレーニングとか身体も動かす訳だからすごく大変そう…私みたいな素人にはよくわからないけど、応援してるよ。

    ここまで書いて、今日が金曜日だったことに気付く。私 in 実家。つまり、黄金川君にノートを渡せるのは月曜日ということだ。それなら何も、今日急いで書く必要はなかったのでは。もう書いちゃったから、そう思ったところで意味は無いけれど。

    (というか、土日、暇だな…)

    バイトでも始めてみようか。
    私は実家暮らしの身である。特段お金に困っている訳でもないが、義務教育を終えた今、両親に甘えっぱなしなのもな…とうっすら思っていた。それに、お金を貯めれば自分の好きなものを買っていいのだ。ああ、親に言えば携帯だって買えるかもしれない。そうだ、私は今、携帯が欲しい。何故もっと早くこの考えに至らなかったのだろう。そうすれば、彼とメアドの交換ができるではないか。
    思い至ってからは早かった。土曜日の朝から近場でバイト募集していそうな所を片っ端から現地調査_家にあるパソコンは父のもので、完全仕事用だから私が触る訳にはいかないのだ_広告の隣に貼ってある募集チラシなんかから、一通り電話番号をメモした。そして家に戻り、固定電話から伺いをかける。この手の会話は得意だった。相手が同級生ではないからというのも大きいが、基本的に大人相手なら取り繕うのもなんら苦ではない。同ベクトルで感情の応酬が発生しないからだろう。淡々と、言葉を羅列し上っ面を固めていく。そうして、傍から見れば”いい子ちゃん”の私が出来上がっていくのだ。高校面接の時もそうだったなあ、なんて。
    家から近場であり、コンビニのように同級生と頻繁に遭遇しないような店、そして時給、お店の雰囲気。総合的な私の判断と先方からの返事で決めた。”嶋田マート”さん。面接にはいつでも行けますと返せば、日曜日に来て欲しいとのことだった。割とすんなり決まってよかった。面接、受かりますように。
    また、ノートに書くネタが増えたな。今度回ってきた時用にとっておこう。

    「ナマエー!ご飯できたわよー!」
    「はーい、今行くー!」

    階段から聞こえてくる声に返事をしたところであ、と声が出る。バイトを始めようとしたことも、日曜に面接が決まったことも、まだ親に話していなかった。私の判断に任せるよ、と言ってくれるタイプの親だから心配はしていないけれど。
    親より先に黄金川君に報告しようとしてたことに気付き、思わず笑ってしまった。ここまでくると、なかなかに重症なのではないだろうか。
    生活の中心が、どんどん黄金川君になっている。


    (side黄金川)

    「ミョウジちゃんおはよう!」
    「おはよー黄金川君 はい、ノート」
    「おう!ミョウジちゃん学校来るの早いよな…朝練とかないだろ?いつも俺より先にいるよな〜」
    「まあ、朝ってなんか気持ちいーじゃん」
    「わかる気がする…!でも早起きは苦手なんだよ」
    「…ふ、ぽいね。黄金川君はこれから朝練?頑張って」
    「おう!」

    高校生になってから三週間くらい経った。まだまだ慣れないことばかりだけど、友達も増えて、毎日が楽しい。その楽しいことのひとつに、この交換ノートがある。相手は隣の席の女の子。名前はミョウジちゃん。
    最初は、女の子がいるの、めずらしーなって思った。教室を見渡せばあと二人いて、合計で三人。
    入学式の日の休み時間、ミョウジちゃんは二人の女の子にも声をかけることなく、ずっと本を読んでいた。工業高校だから女の子が少ないのは仕方ないとして、女の子の友達が欲しくなったりしないのかな。俺は性別とか関係なく仲良くなりてぇなと思うけど。女の子の話題なんて、俺には全然わからないから。
    オリエンテーションが終わって、また休み時間。これから一年間よろしくするクラスのみんなと、友達になろうと思った。それで、メアドを交換しようと思って、順番に声を掛けていった。一気に増えた連絡先に嬉しくなった。
    あとはミョウジちゃん、だけだったけど、やっぱり本を真剣に読んでいたから。邪魔をするのも悪いなと思って放課後まで待った。

    「なぁなぁ!メアド交換しようぜ」

    これでクラスメイトコンプリートだ、と思った。
    そうか、持ってない子もいるんだな。俺はそこまで頭が回っていなくて、でもミョウジちゃんだけ何も交換しないのもいやだな、と思ったんだ。
    そしたら、「ふ」って笑うから。何が面白かったのかはわかんなかったけど。友達であるからには、皆笑顔でいてほしい。一緒にいてつまんなそうな顔をされるよりも、笑顔でいてくれた方が何倍も嬉しいから。だから、笑ってもらえてよかったなと思う。
    そんなこんなで始まった、ミョウジちゃんとの交換ノート。俺のもっと話したいって気持ちを汲んでもらえて嬉しかった。でも、交換ノートって何を書くんだろう。とりあえず今日あったことを書いてみた。こんなんでいいのかな。でも返事を貰えるんだから質問とかした方がいいか?書いたらいつ渡せばいいんだ…明日の朝か?とか考えながら書くそれは、なんだか楽しかった。小学生の頃に書いていた作文みたいだ。書き終えた頃には、頭の中が随分とスッキリしていて。もともと難しいことも考えることもあまり得意ではない俺だけど、頭の中を整理するツールとして良いのかもしれないなと思った。
    それから、交換を始めて今日で五周目。朝練に行く前に渡すのが日課になっているんだけど、俺が教室に入る時にはやっぱり座って本を読んでいる。本読むの好きなんだなあ。頭良さそうだもんなあ。
    おう!と返して俺は今日も朝練に向かう。部活を始める前よりも喋る時間は減ったけど、ミョウジちゃんについて知っていることが増えた。帰宅部で、実家暮らしで、好きな食べ物は最中(もなかと読むらしい)。回路を組むのが得意で溶接は苦手。最近バイトを始めたらしい。
    日に日に増えていくミョウジちゃんの情報は、他の友達よりも明らかに多くなっていって。でも、まだまだ知りたい、と思う。

    (もなか、ってどんな食べ物だ…もなか……)

    「おい黄金ー!ボサっとすんなー」

    うす!すんません!

    「もなかッ!」
    「最中ぁー?」

    なんだよそれ、と笑う鎌先さんに思わずん?と声が出る。あれ、俺、今もなかの方を口に出してた…?

    「す、すんません!なんでもないす!」
    「ハハッ、逆に気になるだろ、最中」
    「黄金の好物なんじゃないの?」
    「俺はカツ丼が好きっス!」
    「じゃあ尚更なんで最中だよ」

    鎌先さんと笹谷さんはツボに入ったのかずっと笑ってる。そこに茂庭さんが、なんだなんだと問い詰めて、もなかのことを聞くと笑っていた。そんなに面白かったかな。放課後、部活に顔を出した時も「お、最中が来たぞ」「最中川だ」「なにその最上川の亜種みたいなやつ」と盛り上がっていて、先輩方の間でしばらくネタにされた。ちょっと恥ずかしかった。切り替えよう。バレーしてる間は集中しないとな。
    後日、このことをノートに書いたらミョウジちゃんに笑われた。もしかしたら”もなか”って、皆を笑顔にする魔法の言葉なのかもしれない。
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    つちだ

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    バレー部に入ろうと思ってる!
    俺、身長それなりにあるから誘われてさ、見学もさせてもらったんだ!
    バレー部の先輩たち、すげーかっこよかった!
    俺もあんな風になりたい!
    体動かすのは好きだけど、バレーやるのははじめてだからワクワクしてる!
    ミョウジちゃんは、何部に入るんだ?もし決まってたら教えてくれ!

    「部活、かぁ……」

    気になって気になって休み時間にこっそりと見てしまった例のノート。
    「おはよう!これ、書いてきた!じゃ、また後でな!」といつもよりバタバタしていたのは、朝練に行くからだったのだろうと今納得した。
    そうか。黄金川君、バレー部に入るんだ。
    それにしても、全部語尾に!マークが付いていて面白い。文にも性格出るよなあと思いながら”部活”の二文字に目をやる。正直、今回も帰宅部かなあと思っている。部活となると嫌でも人との関わりが発生するからだ。作業する時はひとりでいたいタイプである私には、どれも向いていないように思う。ましてや運動部なんて、チームスポーツがほとんどだ。仲間意識とか連帯責任とか、私が最も苦手とするところである。
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