nkzikがが好きすぎてnnmtと仲良くなる話「あ!小平太!」
本日の授業も終わり委員会などもなく暇をしていて何をしようか…鍛錬…?などと考えながら歩いていたら向こう側に六年ろ組の七松小平太の姿が見えた。
「ん?🌸か!…悪いな、今は私1人だ!」
「え?いや、見ればわかるけど…忙しかった?」
「大丈夫だ!忙しくない!なので長次を探していたところだ!」
「うん…?」
「だから長次は今私と一緒にいない!悪いな!」
「…!!わーーーバカバカ!!何言ってんのよ!!」
「?だって🌸、長次の事が好きだろ?」
「しーっ!!しーーーっ!!声大きいってば!!」
「細かい事は気にするな!!誰も聞いていない!!」
「はぁ〜…」
─────
そう、私くのたま六年生である🌸は同じ忍術学園の六年生でこの元気で声の大きい七松小平太と同じクラスであり同室の中在家長次の事が好きで好きでたまらないのである。
長次を好きになったきっかけは色々あるんだけど…今回はご割愛!
自分ではうまく気持ちを隠していたつもりなんだけど、長次を見すぎていたようでいつも一緒にいる小平太にすぐ気持ちがバレてしまった。
「私も長次が好きだからな!だからわかった!」
と、よく分からない理由で…。
「お願いだから長次には言わないで…!」
バレたものは仕方ない。さてどうしよう。自分の気持ちは否定したくない。と、言う訳で小平太に口止めしてもらうようお願いしたのだけれども…
「どうしてだ?好いているなら好いていると言えば良いだろう?」
「あーーもう!!私は小平太じゃないの!!そんな秒でフラれるような真似できないのよ!!」
「よく分からんが…とりあえずわかった!」
(いーーっつも一緒で長次から圧倒的信頼と大好きを得ている小平太といーーっつもじっ…と見ているだけの私とでは天と地の差がありすぎる!どうしてわからないのよ〜!!)
当たり前だが一緒にいる時間が違いすぎる。今私が長次に「好きだよ」と言っても困らせるだけ。今すぐに恋仲になりたいのかと言われたらそんな事はないし…いやなれるならなりたいけど!?でもそうなるにしても私は長次の事を知らなさすぎると思っていた。
長次の事もっと知りたいな…本人にアレコレ聞くのは恥ずかしいし…ボロ出そうだし……小平太なら長次の事色々知っている…?
今思えばあの時の私は気持ちがバレてテンパっていてどうかしていたんだと思う。
「こ…小平太!その……長次の事……色々教えて…ほし…い……」
最後のほうはゴニョゴニョとした声で、ちゃんと聞き取れたかはわからない。でも、私はとんでもないお願いを小平太にしていた。
多分あの時の私全身真っ赤だったと思う。
「いいぞ!長次の事は長次本人に聞けば良いとは思うがな!」
「うっ…そ、そうね…」
ど正論をぶつけられ、ぐうの音も出ない。
でも、小平太は快く承諾してくれた。
……なんで?
「私も🌸も長次が大好きだ!“長次大好き仲間”だからな!」
にかっと笑いながら大きな声で小平太は言う。
(声大きいっての!!…と言うか顔に出ていた!?私もまだまだだなぁ〜…)
そんなことを考えていたら、どうやらその「考え」すら顔に出ていたらしく、小平太はまた笑っていた。
─────
とまあ、そんなこんなで、小平太とは“長次大好き仲間”として、たまに話をするようになった(主に長次の話題)。
そして今、時は少し前に戻る。
「長次探してるって言ってたよね。引き止めちゃってごめんね。」
「問題ない!最近🌸と話していなかったしな!ここで話しながら長次を待つとしよう!」
「え?長次がここを必ず通るってわかるの?」
「同室の勘だ!!」
「あはは、小平太らしいね!」
小平太が言うように、こうやって話すのは久しぶりだ。
気持ちがバレてしまっているからか、小平太と話すのは凄く気楽だ。
それに今日は暇だったので小平太に会えてラッキーだったな!
さて、今日はどんな長次の話をしよう?
「そう言えばこの前ね、図書室に本借りに行ったの。」
「長次に会いに行ったのか!」
「はい。9.5割長次目当てで行きました。」
「素直だな!!」
「否定しても仕方ないからね〜…でね、その時なんだけど、貸出表渡す時に長次と手が触れちゃって!もう手洗えない〜〜!!!ってなっちゃって!!」
「手は洗った方が良いと思うが。」
いつも私の誇張表現をど正論で返してくる。
この男は本当に……
「わかってるわよ!!ちゃんと洗ってます!」
少しむくれながら話を続ける。
「でね…その時私は当たり前に真っ赤になっちゃったんだけどさ…つられてなのか長次耳赤くしちゃってさ…へへ…」
可愛かったなぁ…と続けようとしたのだが小平太が少し考え出す。
少しの間沈黙が流れた。
「…?どうかした?」
まさか自分の気持ち悪さに引かれた?と心配になって聞いてみると、小平太は思いもよらない答えを返してきた。
「いや…その長次は…私は知らないなと思って。」
……。
………。
……………。
「ええぇぇえぇぇぇ〜〜〜!?!!??!」
凄い声が出てしまった。
小平太の知らない長次……? そんな長次がいるなんて!?
動揺する私をよそに、小平太は笑顔で言う。
「新しい長次の一面が知れたぞ!ありがとう🌸!」
太陽顔負けの笑顔で。
もちろんその言葉は、動揺している今の私には一切届かなかった。
────
「あれ?こんな所で何をしているの、長次。」
保健室に向かう途中で立ち尽くして動かない長次を見つけた、同じ六年生の善法寺伊作が声をかける。
「…もそ。(伊作か…)」
「どこか具合でも悪いの?保健室で診ようか?」
長次があまりにもその場から動かないので心配になって声をかけたようだった。
大丈夫と否定の意を込めて首を横に振る。
「もそ…。」
長次は少し遠くを指差す。
その方向に目をやると楽しそうに話す小平太と🌸の姿があった。
「あぁ、きっとまた長次の話をしているんだねぇ。2人とも長次の事大好きだもんね。そうか、それで目の前に出づらくなってそこにいたんだ。」
少し照れている長次を見ても、伊作は特に触れずに話を続けた。
「あの2人気付いていないけど、だいぶ会話が筒抜けなんだよね〜…小平太はともかく、🌸は知ったら倒れちゃうんじゃないかな。」
「もそ…(その時は伊作が診てくれ)」
「ん?あぁ…あはは、いいよ。それよりどうする?そっち通って行く?」
伊作が長次に尋ねると同時に向こう側から
「どうした🌸!真っ赤だぞ!よくわからないがとりあえず裏裏山まで走るか!!いけいけどんどーん!」
「えっえぇ…!?ちょっと待ってよ〜!!長次探さなくていいのーー!?」
「細かい事は気にするな!」
と騒がしく聞こえてきて、そのまま裏裏山の方へ消えて行った。
「あ、いなくなった。じゃあ僕は保健室に行くから…長次も裏裏山まで行くの?」
そう伊作が尋ねると小平太回収もあるしな…と長次は首を縦に振る。
「そっか、気を付けてね。早く🌸も長次の大切な人だって気付いてくれるといいね!」
「…どうしてそれを。」
驚く長次をよそに何も答えぬままじゃあね〜と去って行く伊作。
実は、🌸も長次の話をするときは、つい興奮して声が大きくなりがち。
つまり長次本人にも、気持ちは筒抜けだったわけで――。
どうしたものか…と常々長次は思っていた。
勿論🌸の気持ちが嫌な訳ではない。
むしろ嬉しい。
それに度々嬉しそうな顔で自分の事を小平太と話す姿を見ている内に🌸を意識するようになってしまった。
(小平太にはバレていないと良いが)
そんなことを思いながら裏裏山に向かう長次。
この日の夜、同室の小平太から根掘り葉掘り聞かれる事になるのだが、それはまた別のお話。