Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    nicola731

    @nicola731

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 80

    nicola731

    ☆quiet follow

    晴道の練習。明るくポップな話とか、優しくて可愛い話とか思い付けたら、良いなって思ったんですよホント・・・。

    こあら「球体関節人形!ちょっと難しいけどまともな晴明さんを練習したいから考えてみるぞ!」
    企画こあら「はいネタ」
    脚本こあら「はい書いた」
    こあら「なんでだよ!なんでこんな感じなんだよ!」

    #晴道
    clearChannel

    晴明はついうっかり道満を殺してしまったので作り直すことにした。術比べで事故死してしまった道満の残骸を集め、自宅に持ち帰った晴明は自分で組んだ人形にそれを納めた。名を三度呼び、魂を吹き込めば血が通う。
     出来上がったのは完璧な人形だった。可愛い弟子の生き写し。寸分違わぬ麗しい拵え。晴明は暫く自画自賛していた。だが現在進行形の問題は、それでは解決しない。
    「うーん、余った」
     何故か部品が余った。腑が幾らか、肉が幾らか、皮が幾らか、髪が幾らか余った。はみ出た分を切り取ったら余った。骨は全て外して綺麗に取ってある。腹が減ったら舐める用に。
     仕方が無いので人形を作成する際に出た端材を使い、七歳程度の大きさでまた別に人形を拵えた。足りていない部品は輝石を削り出して充てがった。
     出来上がったのは輝くばかりの美童だった。
    「うーん、端材だけで傑作が出来てしまった。さすが私」
     子供の顔は現在固定している自分の顔に寄せてみた。絹のような肌に映える濡羽色の髪。所々に月白の色が混じっていて雲母のようだった。魂を調達するのは面倒なので自分の尾を一本を裂いて入れてみた。己の中では比較的素直で大人しい側面なので、きっと動き出しても手を焼かされずに済むだろう。
     晴明は自分が創り上げた子供の人形を眺めて満足そうに頷いた。これならば「道満に産ませた子供」として可愛がれそうだと思った。
    「案外子供作るの簡単だなー。媾って作るより早いし」
     「でも費用が嵩むか。準備も一から揃えるのは大変だな」と問題点を数えながら、晴明は自分の成果を見る。世にも美しい母子像だった。



     起こしてみると、道満は色々足りなくなったせいか少し気性が大人しくなった。口数は減り動きも鈍い。それでも笑った顔も怒った顔も羞恥する顔もそのままなので許容範囲内だった。それに長い手足をいつでも着脱して遊べる。いつも閨に連れ込むまでに長いこと抵抗されて大変なのだ。
     肝心の道満自身は、目を覚ましてみれば少し体が軽くなっていて、見知らぬ子供がいて怯えた。何もかも知っている晴明から説明されても謎が謎を呼ぶだけだった。
    「おはよう道満。いやー私に出来ないことはありませんね。人形を造らせても最優です」
    「……?」
    「そしてこれはお前の余りで作った人形です」
    「……? ……??」
    「私が作ったので、私とお前の子供ということになります」
    「?????」
    「はい、元気な我が子ですよ」
    「縺九°縺輔∪ー」
    「?????????」
    「おっと、まだ言語野の調整してませんでしたね」
     喃語ではない何かを発声した子供を抱かされて、つい抱き留めた道満だがわけが分からないままだった。晴明は子供の額を軽く叩いてまた喋らせる。次はきちんと「かかさま」と子供は発音した。
    「三人で仲良く暮らしていきましょうね、道満」
    「はあ、いや、あの……子のことについては分かりました。名は何と?」
     艶やかな子供の髪を撫でながら、道満は親であるはずの晴明に聞いてみる。彼はきょとんとした。
    「名前要ります? 私が『子供』と呼ぶのはこれだけですから」
    「要りますよ。名付けは重要と、貴方ならお分かりになるでしょう?」
    「あまり気は進みませんね。考えて付けるとそのまま妖になりそうですし。『吾子』で良いでしょ『吾子』で」
     晴明の雑な名付けのお陰で子供は「吾子」と呼べば返事をするようになった。道満はあまりよく考えられなくなった頭を悩ましながらも、膝の上の吾子をあやす。吾子は嬉しそうに斑の頭を擦り寄せた。
     帳の中の二人を見て晴明はにんまりと獣臭い笑みを浮かべる。
    「ふふ、家族が手に入ってしまった。嬉しいな」
     お世辞にも素敵とは言えない彼の笑顔に、つい道満は吾子を袖で隠してしまう。
    「かかさまー縺ー縺代b縺ョ縺後o繧峨▲縺ヲ縺ヲ縺薙o縺」
    「何を言っておるのか分かりませぬが、察しは付きます。儂も怖い」
     母子に怯えられても晴明は平気だった。どうせ逃げられないのだから。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤❤👍👍👍☺❤👍☺☺☺☺🍼🙏🙏💞💞👏☺☺☺☺☺☺👏👏👏👏☺🙏🙏🙏☺❤☺☺🙏👏👏🙏☺💯😍😍👏👏👏👏☺☺☺☺☺🌋☺☺☺☺☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    nicola731

    DOODLE「罪深き墓前まで」
    思いつきの時代物パロ晴道。多分この後二人で共謀して旦那を始末します。
     晴明の兄が妻を娶ったのは彼が十五の時だった。付き合いのある旧家の長子で、美しいことで評判だった。まだ十八になったばかりだった。晴明の幼馴染だった。
     晴明は義姉になる前まで兄の結婚相手を「道満」と呼んでいた。義姉になるまで兄の結婚相手を抱いていた。去年の盆に宴会があり、その裏で二人は体を繋げた。お互い初めての相手だった。晴明にとっては初恋だった。
     道満は自分の妻になるものだと信じ切っていた彼は、夏の盛りを過ぎた頃に兄から婚姻のことを聞かされて、がらがらと全てが崩れていくような心地になった。美しい上に賢い道満は詩経さえ誦じてみせる。対して夫となる晴明の兄は凡庸で家柄ばかりが取り柄の役人だった。幼少のみぎりから才覚を発揮していた晴明とは大違いだった。
     晴明は兄が何処か勝ち誇ったような顔をして自分を見ていることに気付いた。兄が自分を打ち負かしたいがためだけに、道満を妻に迎えたのだとすぐに理解した。殺してやろうかと思った。
     道満は家庭に入ると頗る良妻で、よく躾けられた奥様になった。夫の父母に気に入られ、夫の床屋政談にも美しい笑みを浮かべたまま付き合った。晴明が「義姉さん」と呼んでも笑み 1027