その名を呼ぶな「うーん…他の魔法使いに比べると、やっぱり北の魔法使いの人たちの記述は少ないなぁ…。」
魔法舎の書庫には、膨大な書物が保管されている。この世界に来て、スノウとホワイトに案内された時、あまりの多さに驚いてしまった。
入り口付近から中央にかけては、この世界の書物が納められている。時折、真面目なヒースやアーサー、ルチルが勉強している姿を見かける。
そして中央から奥にかけては、異世界からやってきた歴代の賢者達の書き記した書物だ。もちろん全てが読めるわけではない。劣化の激しい物もあるし、そもそも多種多様な言語で書かれているのだから、解読するのも一苦労だ。
なんとか読めそうなものはないかと、今日も賢者は書庫を巡る。
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