サリエ竜族?ネタ ナザレスが倒されてから五十年が経過したサロクディア。
地下で霊水の原液である卵白を飲んだインドラは老化しなくなってしまった。そのため五十年経っても見た目が変わっておらず、サロクディアでは一部で崇拝の対象で見られている。議会制国家となったサロクディアの政界で影響力が強すぎることを懸念しインドラは引退を考えていた。
一方でサリエも問題を抱えていた。ナザレスの息子であるサリエを祭りあげようとするカルト勢力が密かに存在することを掴んでいたサリエは国から出て行く計画を立てていた。
インドラを側で見守っていたが、国内の基盤が安定し久しい今、自分がここに留まっていなければならない理由は無い。むしろ長くいすぎてしまったと思う。
サリエがそう考えオルディン村の外周を散歩していた時、空から突然アズカ・シャールが舞い降りてきた。近くを飛んでいたら自分と同じ魔力の気配を感じたから降りてきたという。
いつかこういう日が来るかもしれないと考えていたサリエは己の出生についてアズカ・シャールに話す。怒りを露わにする彼女だったが、ただ生まれてきたサリエには罪は無く、そしてエクシルたちの罪もインドラとの約束で許しているのでどうにもできないことに気がつき、サリエを複雑な表情で見つめる。
しばしの沈黙のあとでサリエに自分と一緒に来るように言う。肉体はエクシルのものであるが身体を構築した魔力は竜族のものである。半分は自分の子どものようなものなのだから地下で暮らすべきではないと強引に迫る。
一緒に行く必要性は無いと考えるサリエだが、サロクディアを去る良い口実になる(主になかなかふんぎりがつかない自分に対して)と考えアズカ・シャールについて行くことに決める。
サリエはインドラにしばらく旅に出ることを簡潔に伝える。インドラはこれまで自分たちのためにサロクディアを離れず地上を旅したことがないサリエのことを考えると反対する気にもなれず、きっとすぐに戻ってきてくれると思い送り出すことにした。
アズカ・シャールは目覚めてから一度も産卵をしてはいなかった。再びドワーフやヒューマンたちに利用されることを懸念していたためである。
そのためサリエに執着し彼がサロクディアに戻ることを許さなかった。
数十年が経過し、サリエは帰郷を果たした。アズカ・シャールの隙を突き逃げ出すことに成功したのだ。
外界から様々な人々が出入りするようになったサロクディアは活気に満ちあふれていた。
サリエが王都に足を踏み入れた瞬間、目の前にインドラが現れ抱き締められた。
そのまま宮殿地下の魔力が張り巡らされた部屋に連れて行かれたサリエは、もう二度と外の世界には行かせないと微笑むインドラに監禁されることになった。