大学生パロ「おまえさー」
川西は道端に落ちていた、車に轢かれてぺしゃんこになったストロング缶をつま先で転がしながら伊丹の横を歩いている。カラカラ、とアスファルトとアルミが引っかかる音はあまり耳に心地よいものではない。
「まじ気ぃつけろよな」
「はい?」
「はい?じゃねーって」
ボアジャケットのポケットに突っ込んだ手はそのまま、川西がぎろりと鋭い視線を向けたので伊丹は少し後ずさる。
「……だってあんなことになると思ってなくて」
「なるだろ普通」
「そうですかねぇ……」
「そうだっつの」
伊丹はやおらしゃがみ込んで、足元に転がっている潰れた空き缶を手に取った。
「何ゴミ拾ってんの」
「じゃあこれは……僕は飲んじゃダメなお酒ですよね」
1942