偉人お悩み相談室!2「・・・ぅ、あれ?」
「ここは・・・?」
「って、え?莉奈?」
「み、南・・・?」
「あっ、ど~もぉ~」
「!?」
「びゃっ!?」
「あ、驚かせたかのぉ?w」
・・・なんだ、このチャラそうなやつは
ていうか、
「ここどこ・・・?」
「だっ、誰よあんた」
「えーと、日暮南ちゃんと小宮山莉奈ちゃん……ね」
そいつは私たちの声を無視して、名簿のようなものをぺらぺらとめくっていった。
こちらを何度もチラチラ見ながら。
「ちょっと!私たちの質問に答えなさいよ!」
莉奈がそう詰め寄ると、
「死因は……飲酒運転のひき逃げ、か・・・えーと・・・問題なし、っと」
名簿と私たちの間で目線を往復させながらその名簿に何かを書いているようだった。
しばらくして書き終わったのか、名簿をしまった。
「すまんなぁお嬢さん方。でもまず、アンタたちがここにきて問題ない人かどうかを確認せにゃぁいけん決まりなんやぁ」
先程までの真剣なまなざしはどこへやら。最初に声をかけられたときのようなチャラ男のような雰囲気に戻っていた。彼は続けて、
「簡単に言うと、ここはあの世ってやつや。で、ワシはここでこっちの世界に迎え入れて問題ないかどうか確認する仕事をやっとるんや」
と、余りにも衝撃的な事を言い放った。
「・・・え?」
「?????」
私も莉奈もどういう意味なのか分からず固まってしまった。
つまり・・・私たちは死んでしまった、ということ?
「混乱しとるやろ。大丈夫、今までみんなそうやったから。何なら俺もそうやった。とりあえず一言ではっきり言う。アンタらは車に轢かれて死んだ。Do you understand?」
「ウソでしょ・・・」
「あの後死んだの!?私たち!?」
「まー、ワシも死んでここの仕事を手伝っちょる死人なんやけどなぁw」
少し受け入れがたいけど、おそらく・・・この人の言うとおり死んだんだろう。
あーあ、もっと日本中の、いや、世界中の歴史の本読み漁りたかったのになぁ・・・
「なーんか心底未練たらたらな顔しとるのぉ。ま、とにかく霊界住人登録票あそこから取って来ぃ!」
そう言って彼は目の前の大きな建物を指さす。
「え、あ、ハイ」
「あのでっかいの建物なんだ・・・」
彼からあの大きい建物に行くまでの道筋を教えてもらい、早速向かおうとしたその時、
((わぁわぁ
((ガヤガヤ
「ん、あれ?なんかあっちで騒いでない?」
「・・・あー、あっちは……」
「? どうしたんですか?」
「いや、あれぁ気にすんな。きっといつものメンツだろうから」
「いつものメンツ?」
「あぁ。織田と明智と豊臣」
「ええっ!!??」
その単語を聞いた私は身を乗り出した。
「ど、どうした急に?!」
「お、織田ってあの・・・織田信長?✨」
「うん」
「明智ってもしかして、明智光秀のこと?✨」
「あぁ」
「じゃぁ豊臣って豊臣秀吉!?」
「そうだけど?」
前言撤回。あの世に来て良かったです。