ゴチドルオタのアフター「ねぇねぇ！　あのゴンドラの時のゲンの仕草が可愛すぎてね💜」
「わかるー！　羽京との顔寄せ肩組も最高だったよねぇ💛」
「きゃーーッッ💜　そこも！　そこも尊かったー💜💜」
「はいはい！　一度ご静粛に！　オホン……言いたいこと聞いて欲しいこと山ほどあるだろうけど、とりあえず皆のドリンクも揃ったことだし乾杯しようよ💙」
「うんうん❤️　では、会長！　乾杯の音頭を一言お願いします」
「誰が会長よ！」
「会長は🔵しかいない！」
「え〜…じゃあ簡単に。えー、ゴチショ五周年のアニバーサリーライブを企画＆開催してくれたこと！　チケット争奪戦を無事に切り抜けゲットできたこと！　そして、健康でライブに参戦できたこと！　もうたんっっっまり推しを浴びたこと‼︎　そして、こうやつわてまたみんなで集まれたこと！　もう感謝しかねぇ！」

ぬいちね　不意打ち「不知火ー」
「んー？」
　知念の声に振り返ると、ぷに、と頬を指でつつかれた。皮膚の硬い男の頬なんてつついて何が楽しいのかと思うが、彼は口元に笑みを湛えている。無視して前を向くことにした。
「不知火ー」
　もうその手には乗らんと無視を決め込む。だが、知念は諦めなかった。
「不知火。……不知火。しーらーぬーいー」
　しつこいぐらい何度も名前を呼んでくる。やめる気配がないので、不知火は声を荒らげた。
「ぬーよ何！　――」
　頭を掴まれたと思えば、無理やり横を向かされた。直後、唇に柔らかいものが触れる。キスをされたと気づいたのは彼の唇が離れた時だった。
「ふふ、引っかかったねぇ」
　不敵に笑い、知念は満足げに去っていく。なんなんだよと、不知火は呻き声をあげて頭を掻き毟った。