Uちゃん「愛の配分」 それは、Uの配信を聞いていた時だった。Uの声の後ろに、特徴はないが聞き覚えのある音がしたのだ。Uも話し続けているから、本人も気にしていないのだろう。近所の地図と、これまでUが少しずつこぼした情報を照らし合わせて、あの辺だと当たりをつける。こんなに近くにいたなんてと、喜びが湧き上がった。他に気づいている奴はいないか慌ててコメントを確認するが、音に触れる物はない。
「ねぇちょっと、ちゃんと聞いてますか…?」
コメントが止まっていたからか、誰ともなしにUが問いかけてきた。それが自分に言われたように感じて、思わず「ごめんごめん。」と言いながら、同じようにコメントする。
「まったくもう。私の配信中にぼーっとしないでください!それでね…」
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