Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ちくわ🍢

    @chikuwa470

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 6

    ちくわ🍢

    ☆quiet follow

    馴れ初めのときに考えたネタ?プロット?があったので供養
    完全に文字数抑えられないし細々したとこ決めきれなかったし🔞に進められなくなってボツにした😂
    沼三昧のあたりだけ、彼氏彼氏の事情で流用させましたね。なんか使いたかったんだよね。

    #不死煉
    immortality

    あるところに一人の御方を守る小人が八人おりました。硝子の棺に入れられたその人は鮮やかな花とともに詰め込まれていて、お顔しか見ることが出来ません。つるんとした額、二股に分かれた眉、穏やかな目尻、スッと伸びた鼻筋、ふっくらと形の良い唇。
    小人達は気付けばここでこの人を守る仕事をしています。硝子が割れないよう、汚れないよう周囲を整え毎日硝子を拭いてこの人が目覚める時を待っていました。
    「だからキヨは男だろ?」
    「K、Y、カヨさんかもしれませんよ」
    「コヨミちゃんはどうかしら、可愛いわ」
    「くゆりさんに一票」
    「ケー、でいいんじゃないか」
    「Yどこいったァ。キョウだろ」
    「ケーワイ」
    「「それは止めろ」」
    夕食にミートパイとシチューを食べながら今日も小人達はあの人について話しています。彼か彼女かも定かでないあの人の、声を聞いたこともなければ目を開けたところを見たこともない、けれどなぜか守らなければという指名だけを持って小人達はこの地に居るのです。
    どこからともなくやって来た小人は、最古参の悲鳴嶼から一番のちびっ子時透まで八人、ほとんど身長は変わらずに一メートル弱。小さな背丈でもそれぞれの得意分野を活かして暮らしています。
    悲鳴嶼は最古参とあってこの土地に一番詳しく、全員をまとめるリーダーです。しかし彼も気付けばあの人とともにこの島にいて、どうやってここに来たのか、あの人が誰なのかを知りません。
    手先が器用で派手好きの宇髄は、皆の服を作ったり家や家具を用意します。乱暴者の不死川は口が悪く、同じ時期にここへやってきた冨岡とよく喧嘩していますが、口数の少ない冨岡が伝えることを考えている間にどこかへ行ってしまいます。さらに二人と同じころにやってきた伊黒は、果物や野草に詳しく、ずっと一緒にいると思われる友達の蛇、鏑丸とあちこち探検しているようです。
    女の子の胡蝶と甘露寺はとても仲良し、小人達にお揃いのキャップを仕立てたり、時々ティーパーティーを開いてはパンケーキやマフィンをたくさん用意して皆でお茶会を開きます。最年少の時透は、ぼんやりのんびり屋さんですがたまに口を開くとズバッと毒舌が心に突き刺さり、だいたい乱暴者の不死川が最年少時透に言い負かされることが多いです。
    名前も知らないあの人の棺には「K…Y……」と刻まれていますが何かに引っかかれてしまったのか他の文字は読めません。なので小人達はあの人がどんな名前なのかをいつも推測していました。
    そしてどこからか見知らぬ男がやってきては、あの人に口付けさせろと宣うのです。
    「帰れ」
    「ブ男、一昨日来やがれ!」
    「どの面下げて来やがんだァ」
    「貴様は己の顔面を見たことがあるのか?鏡という存在を知らんようならまず鏡を探して出直してこい」
    「不可」
    「あらあら、ご自分が相応しいとでも思っているのでしょうか」
    「うーん、貴方にはキュンとしないので違うかもですね」
    「……まぁ無理だよね」
    ここは海に囲まれた島になっていて、西に切り立った山がそびえていて登ることが出来ません。北から南に流れる川と時折どこぞの国から船で王子らしい男がやってくるばかり。
    あの人の眠る棺を動かすことが出来ないため、小人たちはここで暮らしているのです。



    「不死川、あそこの実が熟しているから採ってきてくれ」
    悲鳴嶼が背の高い木を指差すと、緑の三角帽子を被った不死川は「あれですねェ」と木のてっぺんを見上げた。背の低い彼らは一様に似た格好をしている。黒色のズボンは全員同じで、上着はパーカーの形をしているものもいればトレーナーのように丸首もいる。上着だけそれぞれ色が違っていて、悲鳴嶼は茶色、不死川は緑色を着ていた。中でも不死川の上着は特徴的で、首元に深くスリットが入っていてさらにそれを本人が引き裂いたものだから腹の辺りまで肌が見えている。
    縫製が得意な胡蝶と甘露寺が一度は直したものの即行で引き裂かれたものだから、胡蝶より「不死川さんの服は直しませんのでどうぞご自分で」と拒否された。不死川としては首から胸元に布があるのが邪魔だったから、拒否されたところでどうということはない。
    手のひらを胸の前で合わせると、内側から緑色の光が漏れる。開いた胸元の中心、鳩尾のところに拳大の石が埋め込まれていて、そこが共鳴するように緑色に光った。光は徐々に深く、風を纏うように両手を開き始める。
    「おらァ!」
    ボールのように纏まった緑色の風を木のてっぺんに向けて放つと、風は真っ直ぐに木の実へ飛んだ。ぶつかる直前に不死川が右手をグッと握り、風の塊は四方へ散開する。それらは木の実を叩き落とすようにぶつかり、バラバラと熟した木の実が落ちてきた。それらを悲鳴嶼と不死川が素早くキャッチしていく。悲鳴嶼が自身の身体よりも大きなカゴを一杯にするまでそれは続き、今日の食糧が調達された。
    不死川は風の力を、悲鳴嶼は岩石や大地を、宇髄は微小の音まで聞きつけ、甘露寺は万力の腕力、冨岡は水を操り、伊黒は動植物と意思の疎通を測る、胡蝶は人体と薬学に精通し、時透だけが能力というには忍びなく雲を呼ぶに留まった。
    身体は小さくともそれぞれの能力で協力し合いあの御仁を守っている。あの棺は万力の甘露寺でさえ持ち上げることは出来なかった。大地に根付くように棺は固定され、大地へ濃茶の力を注いだ悲鳴嶼が「これは移動してはならない」と言った。棺の中で生命力ある肌色をしたこの人を生かすために動かすべきではないということだ。
    雨が降っても雪が積もっても、あの人は変わらずにそこで眠っている。不死川は周囲に木を打って簡易的ながらも屋根を取り付けた。しかしそれは大雨のときに流されてしまう。肩を落として再び木を打ち付ける不死川へ、仲間達は設計図を練りより頑丈な屋根を作ってくれた。
    春には日差しを取り入れて、夏には肌が焼けないよう日除けを付ける。秋には紅葉が見えるよう開放的に、冬は雪や風を防ぐ





    しかしそれは突然訪れた。











    白馬に跨ったどこそこの王子でも、名前が長すぎて覚えられないような国の王様でも、小人達の目にかなうものはいません。たまに野蛮な男が力ずくで剣を抜いても、逞しい小人達に適うはずもなく、けっちょんけっちょんに負かされて時々は身ぐるみまで剥がされてすごすごと帰っていくのでした。
    小人達は毎日毎日棺の周りを綺麗に磨いて、季節の花を植えました。顔しか見えないこの人が腕も足もすべて花に囲まれていたから、きっと花が好きなのだろうと思ったからです。少しだけ見える金色の髪は高貴さがあって、整ったお顔立ちとともにとても位の高い人なのだろうと考えていました。だからこそ身分にものを言わせて小人達を押しのけようとしたり、この人の見た目に一目惚れしたとかで口付けを迫る不届き者





    なんやかんやあって撃退
    小人たちはみな特別な思いであの人を見守っていたけれど、不死川だけが皆とは違う感情を持っていた。言わないし特別行動に移すこともなかったけれど。

    なんやかんやあって島が大変な状況に
    大雨洪水土砂災害のてんこ盛り。小人たちは力を使って諸々防ぐものの、あの人を動かすことが出来ない。船を作って、あの人の棺はとても頑丈だからと一時避難を考えるほどに。地面が避けて山が崩れる。
    小人たちが船に乗って避難...というところで不死川が脱出
    「噴火する!見てくる!」
    棺の地盤そのものが危ういのではないか。棺ごと生きていられたとしてもそのまま海に流されてしまったら。そうして不死川はあの人のもとへ向かった。

    小人たちは全員、船に乗って島を出たが荒れ狂う波に翻弄されていた。途中、小人たちの胸元が強く輝いた。胸の中心にある



    煉獄はとある国の王族か何か
    訳あって封印されていたとかなんとか
    小人達は胸の石に記憶を封じられて使える力も少なかった
    煉獄を守ることだけが小人になっていても繋がりだった



    皆は石が砕けて記憶と力が戻る
    身体も元のサイズに戻る
    不死川だけが荒れ狂う嵐で力を抑制を超えて使いすぎた影響から石に影響があった
    身体や力は戻ったものの前の記憶はない
    島でずっと過ごしていたところからの記憶しかなかった






    無事に元の国に戻った煉獄と不死川。元小人らは国を守る任についていた護衛で、記憶を頼りに煉獄らより先に国に戻っていた。不死川の記憶がないことを驚いてはいたが、煉獄を守りきったことで何かを察した様子。

    急に王族だとか言われてもピンとこないし窮屈な生活が嫌だった不死川は煉獄の護衛だけを続けていた。服装や側近としての振る舞いなどは煉獄がそのままでいいと免除。


    しんじゅろうの元にひめじま、宇髄
    瑠火の元に冨岡と胡蝶
    千寿郎の元に伊黒と甘露寺
    そして杏寿郎の元に不死川と時透が側近としてつくことになったが…
    「その上で、時透にはひめじま殿の元へついてほしい」
    「どうして?」
    「君はまだ若い。記憶が戻っても経験値そのものは他の護衛比べたら浅いからだ」
    「経験を積むってことかァ」
    「それだけじゃなさそうだね」
    「あぁ。表向きは修行だ。しかし俺の護衛は実弥一人、手薄になる」
    「囮になるってこと?」
    コクリと煉獄は頷いた。時透の力量ならば護衛は申し分ないが、あえて手薄になると見せかけてそこへ引きずり込むという作戦だ。
    「とくに実弥は護衛なのかどうか傍から見ていても分かりづらいからな」
    「俺ァ窮屈なのは…」
    「構わない。これまでと同じスタイルでいてもらったほうが分かりやすいからな」



    そして引っかかる罠
    かかったのはこの国の宰相だ。隣国との繋がりもあって、何やら不穏な動きがあるようだった。
    遠方の国との外交は主に瑠火が務めてきた。周辺国とはそれなりに友好的な関係を築いているのだが、どうにも東の隣国だけここのところ雲行きが怪しい。

    しばらく宰相を泳がせていたところ隣国から千寿郎へ夜会の招待状が届く。
    期日は伊黒と甘露寺が不在のとき。甘露寺の両親へ伊黒を紹介するため、二人が二週間の休暇を取ってすぐのことだった。
    二人を呼び戻すか。いや……。

    千寿郎が行くと見せかけて、煉獄が行くことに。たまたま同方向へ出かけることで宰相の目を欺く。
    そして今回時透も同行することにした。



    「まず隣国の王子は三人いる。そしてその三人から以前アプローチを受けて断った経緯がある」
    「待てェ、いきなり情報量が多い」
    「まぁしばらくは手紙だの夜会への招待だのとうるさかったんだが、十六を越えたあたりでピタッと止んでな。隣国なので争いにならずに済んで助かったところだ」
    「へェ」
    「そして今回千寿郎へ手紙が来た」
    「それって、そういう趣味の人?」
    「断言は出来んが、可能性はあるな。時透を呼んだのはここだ」
    「俺は影武者?」
    「理解が早くて助かる」
    「了解。いざとなったら手加減は出来ないかもだけど」
    「切り刻んでやれェ」

    夜会で乗り込んだ隣国の城


    「沼の一太!」
    「同じく、沼の二郎!」
    「沼の三之助!」
    「水を司る沼の三兄弟とは我らのことよ!!」

    ババーーン!!


    「覚えづれェわ!!統一しやがれ!!」

    ガガーーン!!

    「千寿郎だけでなく時透にも毒我をかけようとは笑止千万!!隣国第一王子として見過ごす訳にはいかん!!」

    「実弥、やりすぎるなよ!」
    「分かってらァ!!」

    「なっ、名前を呼んだだと!?我らのことは手紙でさえ呼んでくれなかったというのに!!?」
    「うむ!覚えられなかった!!」

    ガガーーン

    「して沼三昧!覚悟は良いな」
    「沼三昧www」

    沼の国の大事なマントをバッサバッサと切り倒して、ながーい舌をビリビリっと火傷させて成敗

    👅する時透、呆気なさすぎて暴れ足りない🍃、これでしばらく悪さはしないだろうって笑う🔥


    「さて、帰ろうか。時透、実弥、途中千寿郎と合流しよう」
    「はーい」
    「おォ。……汚れてんぞ、杏寿郎ォ」
    「あぁ、ありがとう」
    背中をパタパタと叩いて汚れを落とす🍃


    「「…………ん?」」





    血の繋がった家族以外を下の名前で呼ぶことはなかった煉獄だ。煉獄はもうずっと、彼だけ特別だった。
    王族にとって下の名前は特別で、とくに十五を越えてからは名を呼ぶことの意味が変わってくる。
    「千寿郎には十五になるまで伸び伸びと過ごしてほしいと、その話はまだしていませんでしたね。十五になったら、たとえ幼なじみであっても私たちは役職や上の名前で呼ぶことが決められています。下の名前で呼ぶのは家族になったもののみ。逆に家族でない者は王族を下の名前で呼ぶことは禁じられています」

    「実弥さんがそこに気づいたとき、あの子のことを杏寿郎と呼ぶのでしょうね」

    「……母上、わざとですね」

    「ふふ。私もしんじゅろうさんも歓迎しているのですよ。あの子が決めた人ですもの」

    「僕はまだ複雑です……」




    20241014
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ちくわ🍢

    MOURNING馴れ初めのときに考えたネタ?プロット?があったので供養
    完全に文字数抑えられないし細々したとこ決めきれなかったし🔞に進められなくなってボツにした😂
    沼三昧のあたりだけ、彼氏彼氏の事情で流用させましたね。なんか使いたかったんだよね。
    あるところに一人の御方を守る小人が八人おりました。硝子の棺に入れられたその人は鮮やかな花とともに詰め込まれていて、お顔しか見ることが出来ません。つるんとした額、二股に分かれた眉、穏やかな目尻、スッと伸びた鼻筋、ふっくらと形の良い唇。
    小人達は気付けばここでこの人を守る仕事をしています。硝子が割れないよう、汚れないよう周囲を整え毎日硝子を拭いてこの人が目覚める時を待っていました。
    「だからキヨは男だろ?」
    「K、Y、カヨさんかもしれませんよ」
    「コヨミちゃんはどうかしら、可愛いわ」
    「くゆりさんに一票」
    「ケー、でいいんじゃないか」
    「Yどこいったァ。キョウだろ」
    「ケーワイ」
    「「それは止めろ」」
    夕食にミートパイとシチューを食べながら今日も小人達はあの人について話しています。彼か彼女かも定かでないあの人の、声を聞いたこともなければ目を開けたところを見たこともない、けれどなぜか守らなければという指名だけを持って小人達はこの地に居るのです。
    5315

    related works

    ちくわ🍢

    MOURNING馴れ初めのときに考えたネタ?プロット?があったので供養
    完全に文字数抑えられないし細々したとこ決めきれなかったし🔞に進められなくなってボツにした😂
    沼三昧のあたりだけ、彼氏彼氏の事情で流用させましたね。なんか使いたかったんだよね。
    あるところに一人の御方を守る小人が八人おりました。硝子の棺に入れられたその人は鮮やかな花とともに詰め込まれていて、お顔しか見ることが出来ません。つるんとした額、二股に分かれた眉、穏やかな目尻、スッと伸びた鼻筋、ふっくらと形の良い唇。
    小人達は気付けばここでこの人を守る仕事をしています。硝子が割れないよう、汚れないよう周囲を整え毎日硝子を拭いてこの人が目覚める時を待っていました。
    「だからキヨは男だろ?」
    「K、Y、カヨさんかもしれませんよ」
    「コヨミちゃんはどうかしら、可愛いわ」
    「くゆりさんに一票」
    「ケー、でいいんじゃないか」
    「Yどこいったァ。キョウだろ」
    「ケーワイ」
    「「それは止めろ」」
    夕食にミートパイとシチューを食べながら今日も小人達はあの人について話しています。彼か彼女かも定かでないあの人の、声を聞いたこともなければ目を開けたところを見たこともない、けれどなぜか守らなければという指名だけを持って小人達はこの地に居るのです。
    5315

    recommended works