同調 小さな水滴が顔にかかった気がして、目を開ける。
見慣れた寝室の天井と、心配そうなギョンフンが見えた。
「アジョシ、ごめん」
戸惑うギョンフンの顔に、何が起こったのかぼんやりとわかる。
ミョンジンの記憶に同調した時と同じだ。
「……同調したんだな」
「僕の霊力とハーブの効果で――意識が繋がってしまったみたいだ」
ミョンジンの辛い記憶や異界の重苦しい感じと違い、夢の中は心地好かった。
心が通じていると思えたし、嘘の無いギョンフンの気持ちが聞けた。
「別に謝ることじゃない」
「二人とも同じ酒で酔っていたのもあって――油断してた。あなたは病み上がりなのに」
「わざとじゃないならいい。イナには効かないんだろ?」
「媒介するのは僕と煙だから、大丈夫」
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