宿伏
キスの日
呪専卒業後
長髪な2人のお話
高専を卒業しても変わらないものはある。
逆に変わったものも…
「宿儺」
「水分は落としてこい、風邪をひく」
風呂上がり、ほかほかと心地良い温もりを感じながらバスタオルを頭に掛けてリビングのソファに座ってコーヒーを飲んでいる宿儺に声をかける。
宿儺の持っているマグカップは俺が高専にいる間プレゼントした黒い犬のマグカップで、今も変わらず愛用し続けてくれている。
それに少しの気恥ずかしさを感じながらポタポタと水滴を垂らしながら近づけば、小言がぽそっと落とされて、宿儺が立ち上がる。
まだ湯気の立っているマグカップの中身をチラッとみて、宿儺に入れ替わってソファに座り飲み掛けのコーヒーに口をつける。
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