初恋は液晶、今恋は壁廊下で誰かとすれ違ったとき、つい声を掛けてしまった。聞いたことがある歌。幼少期、姉と夢中になっていたのを、今でも覚えている。
「そ、それ、ミラマジのオープニングだよな!?」
「…へっ、知ってるの!?」
歌っていたのは違う寮の女子生徒だった。
寮制度がある名門ハイスクール、イーストン。ドットはそんなイーストンで初めて趣味が合う友人を見つけた。イーストンの寮の一つ、レアン寮の女子生徒、ラブ・キュート。寮が違っても彼女と会う度に、日曜日の朝に放送している魔法少女アニメや特撮番組の話をしていた。
二人は生粋の特撮オタクだったのである。
「まさか三十分違いの特撮まで見てるなんて、ビックリしたわ…。興味無さそうなのに」
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