Недавний поиск
    Создайте учетную запись, чтобы добавлять работы в закладки.
    Зарегистрироваться Войти

    konkon12165

    ☆Тайно следовать Кричать с эмодзи 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 11

    konkon12165

    ☆Тайно следовать

    月見をする三十路の雄炎

    #雄炎

    月見「あぁ、今夜もいい月だ。こういう晩は酒が格別に美味い」
     そう言いながら白雄は盃に唇をつけて傾けるが、紺碧の双眸は空に浮かぶ月などちっとも見ていなかった。ゆるりと穏やかに細められた紺碧の眼差しは、しかと紅炎を映しているので紅炎は口をつけようとしていた盃を遠ざけ、その眼差しから逃げるように瞼を伏せる。手に持った盃の揺れる水面を見ると月が映ってゆらめいていた。白雄ときたら紅炎の双眸が光の加減で金にも琥珀にも見える色合いなので、時折こうして月に見立てて恥ずかしげもなく褒め称える時があるのだ。
     白雄はいつまで経ってもこういう褒め言葉に慣れることなく、自分の前でだけは奥ゆかしく恥じらう紅炎を見て笑みを深める。その比類なき強さや忠義心の厚さを褒められることは多々あれど、白雄のような褒め方をする人間など他にいないので慣れないのもあるだろう。まぁ、他に居たとしたら紅炎の側には置いていけないのだが。
    「相変わらず愛らしいね。お前は」
    「陛下……私ももう三十路です。愛らしいという言葉とは無縁かと」
     白雄はことあるごとに紅炎のことを愛らしいというが、さすがにデカく厳つい男に成長し、大将軍になればもはや可愛げなどというものは欠片もない。その筈だ。一万歩ほど譲って閨での睦言ならばまだ分かるが、白雄ときたら場所など少しも関係ないのである。だから困ってしまう。護衛官たちとて陛下の護衛のため紅炎が厳選した精鋭で部下であるのに、彼らの前でもこの世の理の如く当たり前に可愛いと言う。その時の部下たちの何も聞いていませんよという白々しい聞かぬフリの気まずさときたらいたたまれないのはいつものことだ。
     そう思っていると白雄が顎を指先で撫でつつ思案げに言う。
    「そうか? なら俺なんてもっとおじさんだからね。若い頃はお前もよく美しいとか綺麗だとか言ってくれていたけれど、さすがにもうそうとも言えないだろう?」
     それを聞いて紅炎は幻聴が聞こえたのかと思った。綺麗じゃない? 冗談もほどほどにしてほしい。白雄ときたら、少年期から青年期にかけてそれはもう傾国の美女よりも美しいと褒め称えられてきた。数多の美姫を差し置いて洛昌の宝石だとまで言われていたくらいだ。そんな白雄は、三十路を超えてその美貌が衰えるどころかますます磨きがかかるばかり。その陰ることのない美貌に、煌には不老の秘薬があるのではないかと冗談混じりに噂されるほどである。若い時にはなかった深みと男の色気が増して、むしろ若い頃より老若男女から好意を寄せられるようになってきたのは紅炎の勘違いではないだろう。
     紅炎は相も変わらず美しい白雄のかんばせを見た。三十代も後半に入ってから威厳を気にして髭を生やすようになったが、顎や口の周りに生えるその髭も精悍さと色気を増すばかりで美しさは欠片も損なわれない。紅炎は空になった白雄の盃に酒を注ぎながら言った。
    「ご冗談を……陛下の美貌が衰えるなどあなた様に限ってあり得ぬことです。若い頃から今に至るまでどれほどの詩人が陛下の美しさを讃えてきたか数えきれないというのに……よくご存知でしょう」
    「俺はお前以外の誰に褒められようと大した感慨もない。お前こそよく知っているだろうに」
     白雄は男らしい喉仏を晒して一気に酒を呷ると、座敷の上に盃を転がし、紅炎の腕を掴んでその体を引き寄せる。そうして間近で何歳になっても可愛いと思う顔を覗き込んだ。紅炎は十八近くになっても少女のように愛らしい顔をしていが、二十を超えて青年期になると男らしい容貌になり、歳よりも上に見られがちだったように思う。だが、三十路になると今度は年齢よりも若く見えるようになってきているようだ。その肌の滑らかさを楽しむように頬や顎に口づけ、最後に唇を合わせて触れ合うだけの口づけをすると、紅炎は吐息のかかる距離で囁くように言った。
    「私の答えは今も昔も変わりません……この世に白雄様ほど美しい人間など存在しないのですから」
     本気で言っていることが白雄には痛いほどよくわかる。満足気に目を細め、吐息を震わせるようにして笑うと、耳元にも音を立てて口付けた。紅炎は過敏に肩を震わせる。包み込むように頭を撫でて肩を押すと、とさりと軽い音を立てて床の上に倒れ込んだ。他に比べる者が居ないほど強い男であるのに、こんなにも簡単に押し倒されてくれることに愛を感じずにはいられない。座敷の上に長い赤髪が美しく広がり、白い寝衣に包まれた体が月明かりで青白く輝いて見える。やはり紅炎こそ美しい男だと思った。
     白雄は押し倒した紅炎の頬を撫で、情欲を滲ませてさえ美しい瞳を細めると麗しい唇で告げる。
    「紅炎、抱きたくなった。酒よりお前がいい」
    「それならば寝所に、」
    「嫌だ。今日は月が明るいからここがいいんだ」
     少し酔っているからだろう。やけに子供っぽい言い方でそう言い張る。紅炎としては月が明るいからこそ寝所がいい。それに飲み始めた時に白雄が人払いをしたので、見える範囲に人が居ないことはわかっているけれども中庭に面した座敷では開けっ広げすぎる。そうは思っても若い頃から変わらない必殺のおねだり顔で見つめられるとどうしようもなかった。結局全ては白雄の思い通りになるようにできているのだ。
     紅炎が諦めて体から力を抜くと、少年のように嬉しげに瞳を輝かせた白雄が身を屈めてきた。その体を抱き返し、唇が首筋に触れるくすぐったさに笑うと、白雄は愛しげに目を細めて言う。
    「髭を生やしてよかったことが威厳の他にもうひとつあるんだ」
    「なんです?」
    「お前は案外くすぐったがりだろう。髭が肌に触れてくすぐったがるのがすごく可愛い」
    「また可愛いなどと……」
    「だって本当なんだから仕方ないだろう」
     相変わらずそう言うので、今度は肌に触れる髭のくすぐったさを頑張って我慢すると、白雄が意地でも笑わせようとしてくるのだからたまらない。二人とも意地になっていい歳して子犬のようにじゃれあった。紅炎はかなり善戦したのだが、結局髭のくすぐったさには勝てずに笑うと、白雄も嬉しそうに笑うので何だかもう何でもいい気持ちになってくる。白雄が気に入っているならそれでいいのだ。
     そうして明るい満月の下、散々笑い合うと、落ち着いた頃に二人抱き合ったまま、どちらともなくしっとりと唇を合わせたのだった。




    Нажмите, чтобы открыть в полноэкранном режиме.Репост запрещен
    👏👏👏💖💖💖💖💖🙏🌠💖😭☺💖👏
    Отправим отзывы!
    Ответы от создателя

    сопутствующие работы

    konkon12165

    КАРАКУЛИ躑躅と雄炎の短い話
    私の躑躅躑躅 4月上旬 燃え上がる想い 恋の喜び


     もういいかーい。遠くから幼い弟の高く澄んだ声が聞こえる。まだ探し始めるには早いが、幼さ故に探すのを待ちきれなかったのだろう。
     紅炎はふと口元を緩め、燃えるような赤色の花をたわわに咲かせた躑躅の影に屈んで隠れながら弟に見つかるのを待っていた。紅炎を見つけたら何でもひとつ言うことを聞くと約束したので、紅覇は隠れ鬼を始める前から大興奮だった。最近は何かと忙しく構ってやれていなかったので、今日は朝から紅明共々遊びに付き合っているが、たまにはこんな穏やかな1日もよいものだ。
     春の風は満開の花々の香りを乗せてどこか甘く、晴天の青空を見ていると気分がよくなる。外で過ごすには最高の日だ。紅明は書庫から出たがらず無理矢理引きずってきたが、外に出してよかった。あれも兄になったので、弟のことを考えて書庫に帰ったりはしないだろう。炎兄、明兄どこー?という紅覇の声がまだ遠いので見つかるまで多少時間がかかりそうだ。服はもう既に汚れているのだし、いいかと思って膝を抱え直接地面に座る。赤い躑躅に埋もれるように隠れながら、誰も見ていないのをいいことに指先でひとつ花をつむと口に咥えた。花の蜜の甘い味が広がる。咥えた花を揺らしていると、唐突に近くで声が聞こえて驚きのあまり咄嗟に跳ねそうになった体を押し留める。
    3811

    рекомендуемые работы