契約のソーダ水「ドラ公テメェ!!」
砂埃を上げる勢いで城の方から駆けてきた赤い軍服の男に、ドラルクは視線を向けて溜息を吐いた。
「ではご婦人、無粋なゴリラが来ましたのでね。今日はこれで失礼を」
露店の女店主はうふふ、と笑う。
「いっつも迎えに来るわねえ。王子に大事にされてるのね、ドラちゃん」
「まさか。信頼されていないのです、悲しいことにね」
「なぁにが悲しいことにだ適当なことばっか言いやがって!」
がし、と頭を掴まれ衝撃で砂になると、女店主はあらあらと慌てた。直ぐさま復活し、どうということはないですよと笑って見せて、それからドラルクはロナルドをきろりと睨む。
「そうほいほい殺すなと言ってるだろうが。人食い鮫のほうがまだ安全だぞ」
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