【ロナドラ】この指先に君の色/その指先に俺の色この指先に君の色
夜の帳が降り共にギルドに向かう道すがら、ドラルクは思い出したようにロナルドに声を掛けた。
「あ、ロナルド君。ちょっと寄っていいかね?」
「あ?寄るって何処に」
「ここだよ。マニキュアがそろそろ切れそうでね」
ドラルクが指さした先はデパートの入り口だった。
急ぐ用事があるわけでもないので申し出を了承しついていくと、ドラルクは化粧品を売り場を探して館内を歩いていく。
やがて目的の店舗に辿り着き、色とりどりの小瓶の前で立ち止まる。
ロナルドは普段立ち入ることのない売り場を見渡し用途のわからない化粧品の数々に首を傾げていたが、ドラルクとジョンが楽し気にそれを選ぶ姿に興味を持ったようで後ろからその様子を覗き込んだ。
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