朝チュン「おれ、おっぱいの大きいお姉さんよりドラこぉが好き」
「……明日になって忘れてたら承知しないぞ」
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いつもの朝。ソファベッドで目を覚ます。カーテンから漏れる朝日が眩しい。
なんだこれは。眼前に広まる光景に思考が止まる。ドラ公が隣で寝てる。つか俺、何で裸なんだ?!
「はっ?!おまっ!え?!うわ、ドラ公も服着てない、なんでぇ」
キャパオーバーになってパニックになる。涙が出てきた。だってそうだろ。目が覚めたら隣には片思い中のガリガリクソ雑魚砂おじさん。しかもふたりとも裸。意味が分からない。昨日、なにしたっけ?!
俺の声でドラルクも目を覚ました。
「いたっ!えっ朝日?!わっ、何で私ソファで寝てるの。死ぬ死ぬ!」
そう言ってドラルクは死ぬ前になんとか棺桶へと滑り込んだ。バタンと音を立てて棺桶の蓋が閉められる。
「えーっと、若造?きみ、昨日なにしたか憶えてる?私達、なんで裸なの」
棺桶の中からくぐもった声が聞こえる。ドラルクもこの状況の異様さに気が付いたらしい。しかし思い当たる節はないようだ。
「わかんない」
「んぅーーーーっ!思い出せ。私はIQ200超え!思い出せる!」
「なぁドラこぉ……」
「なんだね5歳児ゴリルドくん」
「なんかティッシュいっぱい散らばってるんだけど」
「ふぁーーーっゴミはゴミ箱に捨てろといつもお母さん言ってるでしょ」
「だれがお母さんだ!そうじゃなくて……なんか
「 」
「責任を取る!」
「えっ?!正気に戻れ若造!君の好きなおっぱいないぞ!」
「なんかさいきんおっぱいより洗濯板に反応する」
「洗濯板なんて昨今売ってないだろ!どこでみるんだ」
「ヌトリ」
「この前行った時何かをじっと見てるとおもったらそれか!いやいや目を覚ませ」
「目ならとっくに覚めてる」
「あーっ力強い、怖いっ」
「だってどらこぉも俺の事好きじゃん」
「なんでそう思うんだ」
「だって料理してくれたり、家のことしてくれたり。愛が無きゃできないぞって、みんな言ってた。それって、俺の事すきってことだろ?」
「ぐぎぎ……」
「デートしよう!」
「で、お部屋で映画観賞会かね」
「だって外大雨なんだもん」
「まあいいよ。ちょうど見たいのあったし」
「うーん、B級通り越してC級、私の好みではないかな」
ロナルド君がいつもより近い。腕もがっつり摑まれて、身動きできない。肌をくっつけていたいタイプ?さすが童貞。
「ぜ〜〜ったいお前のこと助けないからな!」
「ふん!若造の助けなんかいらんわ!」ってなって、お互い意地張ってる。
ドちゃんがピンチになった時にロくんがすんでの所で助けに来て
「呼べよ!俺を!」
「ごめんなさいは?」
「は?」
「君がどうしてもって言うなら助けられてやる」
「あ〜〜もう、俺が悪かったよ!ごめんなさい!」
「ふんっさっさと助けろ」
「それが助けてもらう奴の態度かよ」
「俺と結婚してくれ」
「その……。あの夜をやり直させてくれ」
「あの夜?」
「その……俺が無理やり」
「はっ?!あの日はそんなんじゃなかったぞ」
「は?!」
「メビヤツの録画みたんだ。君、べろべろに酔ってて」
「えっ……別れるって言ってる?」えーん
「このドラドラちゃんが一カ月も茶番に付き合ってたんだぞ!いまさらこんな面白いおもちゃを手放すわけないだろう!」
「私は吸血鬼だぞ。祈る神なんていないさ」
「順番がめちゃくちゃになっちゃったけど、ドラこぉ……俺と付き合って」
「ふっははっ……いいよ」
ここからまた始めよう
「あ、間違えた」
「は?」
「ごめん、忘れてくれ」
はぁ〜〜〜〜?!
この超絶キュートなドラドラちゃんにキスしといて間違えただと?誰と間違えたんだ若造め。
「心当たりないですかな」
「心当たり、なぁ……」
ギルドのみんな歯切れが悪い。私以外みんな知ってるってことか?
試すようなことして、自分で全部台無しにしちゃった。こんなことなら好きだよ、って、言っちゃえばよかった
震える唇でキスをして。
君は君ってだけで最高スペシャルなんだから!