ケイサラ140文字シリーズ第1弾お題「上手な甘やかし方」
“おやすみ”の声を聞いてから1時間。
その間に聞こえたのは不自然に多い数の寝返りの音。
聞こえないのは安らかな寝息。
こういうときは何も言わずに黙って腕の中に抱き寄せる。
私の胸を枕にすると・・・うん。
今日も眠ってくれた。
お題「絶対絶命」
“キスしないと出られない箱”に閉じ込められて30分。
JKの唇を奪うなんてどんな理由があろうと大罪だ。
しかも本人が言うにはファーストキスだぞ?
だから箱を開ける方法がないか探したけどそんなのないし、箱が狭くなってきて・・・。
腕を突っ張って耐えてたけどもう限界だ。
君の初めてを奪うまであと少し。
お題「弁慶狙いのローキック」
「んっ・・・。」
抱き寄せられてキスを受けていたらどうやら夢中になったらしくて。
深さを求めて彼は利き腕を私の腿の裏に巻きつけて一気に引き上げた。
ちょっと何考えてるんですか!
夜とはいえ誰か通るかもなんですよ!
やめて欲しくて弁慶の泣き所を蹴ったけど、とろけた身体では全然ダメージを与えられなかった。
お題「ふたりぼっち」
大学生くらいの男が2人、こっちを振り返る。
彼女のことを見て「可愛い!」だの「スタイルいい!」だの騒いでるけど、その中に大人顔負けの冷静さや豪胆さがあるなんて知らないだろう?
君達如きじゃ相手にならないよ。
この世で彼女と理解し合えるのは同じ地獄を味わったこのオレただ1人なんだから。
お題「愛してはいるんだけど」
パンよりお米。
目玉焼きは固焼き。
甘すぎるのは苦手。
愛し合ってはいるけれど食の好みは綺麗に正反対。
性格や考えが合わないよりいいけれど、食事するお店がすぐに決まらなかったりする。
「でもさ、だからこそ相手が好きなものを渡せる喜びがあるよ。」
そう言って彼はセットで付いてきたケーキを差し出した。
お題「水槽に浮かべる」
「はーい力抜いてー。大丈夫だよー。」
そう言って手を離すけど・・・。
「ガボガボガボ・・・。」
水は彼女にとって天敵なのか1時間同じ事をしてるけど泳げるようになる気配が全くない。
・・・まぁ、沈みかける度にくっついてくれるのは嬉しいけど。
「うぅ・・・私、一生カナヅチなんだ。
水難事故に遭ったら死んじゃうんだ。」
・・・うん、もう少し頑張ろう?
第2弾へ続く!