『いっぱい食べる君が好き』「ほら、○○ちゃん! ここが俺んちのパン屋だ! めっちゃいい匂いだろ?」
迅くんが、ドヤ顔でパン屋のドアをガラッと開ける。店内に漂う焼きたてのパンの香りに、私は思わず「わぁっ、すごいっ!」って目をキラキラさせた。
「ハハッ、そうだろ~? 俺んちのパンはどれも絶品だぞ! さ、奥の席座って座ってくれ! 俺のおすすめ、持ってくるぜ!」
迅くんの元気な声に押されて、私はカウンターのそばの小さなテーブルにちょこんと座る。木の温もりが感じられる店内には、ずらりと並んだパンがまるで宝石みたいに輝いてて、どれにしようか迷ってしまう。
しばらくして、迅くんがトレーいっぱいにパンを抱えて戻ってきた。
「よぉし、○○ちゃん! まずはこれ、うちの看板商品の『メガマックス食パン』! ふわっふわで、噛むほどに甘みが広がるんだ! んで、こっちはチョココロネ! 中のクリームが濃厚でやみつきになるぜ!」
迅くん、めっちゃ熱く語ってる! そのキラキラした笑顔に、私もつい「わぁ、全部美味しそう~!」って手をパチパチ。
「迅くん、迅くん、…私うさぎパン食べてみたいな…///」
ちょっと恥ずかしそうに、私はショーケースにちょこんと並んでるうさぎの形のパンを指さす。ちっちゃくて丸いパンに、うさぎの耳がついてて、すっごく可愛い!
「うさぎパン! いいチョイスだな、○○ちゃん! あれは、見た目は可愛いが、中にカスタードクリームが入ってて、めっちゃ美味いんだぜ!」
迅くん、ニカッと笑って、さっそくうさぎパンをトレーに乗せてくれる。
私はうさぎパンを手に持って、ぱくっと一口。
「ん~! ふわふわで、クリームがとろっと甘くて…! すっごく美味しいよ、迅くん!」
思わず笑顔になっちゃって、ぺろっと舌を出してクリームを舐めてしまう。
「…っ、ちょ///、○○ちゃん…それ…!///」
迅くんが急に顔を真っ赤にして、トレーを握りしめてる。
「え、うそ、私、クリーム顔についちゃったかな!?」
慌てて頬を触ってみるけど、何もついてない。迅くん、なんでそんなに照れてるんだろう…?
「い、いや、違うんだ! ただ、○○ちゃんがうさぎパン食べてるとこ、なんか…めっちゃ可愛くてさ…! う、うわ、なんでもねえ! ほら、もっと食えよ!」
迅くんは慌ててトレーの別のメロンパンを手に持って、顔を逸らす。迅くん、耳、すごく赤くなってるよ。
「ふふ、迅くん、照れてるの可愛いね~」
私はちょっと意地悪く、ニコッと笑みを浮かべる。迅くんはますます赤くなって「う、うるせー! ほら、コロネも食ってみろって!」ってごまかすけど、そのドキドキした表情が、なんだか私の心もポカポカにしていた。
パン屋の暖かい光の中で、迅くんと一緒にパンを頬張るこの時間…。なんだか、すっごく幸せに感じる。
「ね、迅くん! 次はどのパン食べようかな? 私、ぜーんぶ試してみたい!」
「よぉし、○○ちゃん、任せろ! 全部食わせてやるぜ!」
迅くんの笑顔と、美味しいパンの香りに包まれて、私はもっともっとこの時間が続けばいいなって思う。