夫夫生活⑦ 🔮の🛀配信にて「おはよう、うきき。いや、そちらではこんばんはの時間かな?」
と挨拶をし、突然の電話に何かあったのか🔮に訊ねる🐏。
「おれ、今から🛀配信するんだ。ふぅふぅちゃん見たいでしょ?君だけ特別ね」と言いながら、画面共有モードに切り替える🔮。
突然の出来事に「待て待て待て…!」と慌てふためく🐏を他所に、「ただし、君はミュートにしてて。声を出しちゃダメだよ」と🔮はクスクス笑いながら言う。
🐏が動揺している間にあれよあれよと準備が整い、配信が始まる。
いつもと変わりない様子で配信をしている🔮を見て、少し安堵した🐏は落ち着きを取り戻す。
少し吐息が多いな?と思いつつも、🔮の声をBGMにしながら読書を始める🐏。
幾分か経った後、端末から🔮以外の見知った声が聞こえ、画面に目をやると🃏の姿が。
まさか🔮の🛀配信に誰かが参加すると思ってもいなかった🐏は、手から本を落してしまうくらい動揺を隠せない。
さっきまで読書をしていた🐏が本を手放しこちらを見ていることに気付いた🔮は「タオル外してるからちょうどいいじゃん。これ見たことないよね?」と言いながら🃏にタトゥーを見せ始める。
その様子を見せられ、慌てて椅子から立ち上がり画面に近づくもミュート命令が出ているため🔮に声をかけることが出来ず、電話に気付いていない🃏と、この状況を楽しみながら会話をしている🔮をだたただ眺めるしかない🐏。
幸い、会話内容は聞こえているので疚しいことをしていないのは明白だが、🐏は楽しそうな二人を見ているとやるせない気持ちになる。
しばらくして、🃏が去ったのを確認した🐏は、取り乱した心を落ち着かせるため椅子に座り、飲みかけの紅茶へ手を伸ばす。
時計を見ると20分くらいの時間であったが、🐏にはあまりにも長く感じる時間だった。
画面の中で嫉妬の炎に燃えながら静かに慌てふためいていた🐏を見た🔮は、満足したのか自身の配信を閉じる準備を始める。
いつも通りの終わり文句を言い始めたときに画面の🐏と目が合う。
「ばば〜い」
ほんの一瞬、間を置いて🔮から発された言葉は熱を帯び、🐏の耳へ届いた。
昂ぶる心臓のうるさい音と、何事もなかったかのように終わりを迎えるハミングの音が🐏の中で混ざりあう。
「…し、もしも〜し?ふぅふぅちゃん聞こえてる?」と画面から聞こえた🔮の声でハッと我に返り、「あ、ああ…すまない。少しボーっとしていた」と返事をする🐏。
🔮は「今日は良いものが見れちゃった♪おれの配信に付き合ってくれてありがと。」と言う。
🐏はいつものように今日の素晴らしかったところを伝えようと口を開くが上手く言葉が出てこない。
そんな🐏を見ながら🔮は、「ひひっ。いいよ、満足できたし。…今夜は興奮して眠れないね?」と悪戯な笑みを浮かべながら言い、通話を切った。
「してやられた…。」そう言いながら真っ暗になった画面を見つめ、眠れない夜を過ごすことになりそうだと思う🐏であった。