ヴァンパイアパロヴァンパイアパロ
闇色に染まった空にアラザンのような小さな星々と細い三日月が浮かぶ夜。暗く冷たい雰囲気の廊下を柔らかなネグリジェに身を包んだ女……皇水希が歩いていた。普通の人間ならもう部屋で休む時間だが、彼女は同居人の事情で昼夜逆転の生活をしている。そのため活動する時間は夕方から明方まで。
「今日は学校ないし、何しようかな……」
キッチンに行き、軽く食事を済ませ、歯磨きや洗顔など軽く自分の身なりを整えた水希はどういう休日を過ごそうか考えている。
「水希」
すると不意に後ろから声をかけられ、優しく抱きしめられた。水希はくるりと後ろを振り返り、嬉しそうに頬を綻ばせた。
「れー君!おはよう」
「ん、はよ。つーか起きた時隣いなかったから焦ったんだけど?」
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