"たった一人でいいから、私の味方が欲しかった"
もうホンマ、自分の中の伊東像がこの一行に尽きる
誰にも言えない役目を抱えて、喜一くんに会ってしまったんよな
ゴミに等しい紙きれを後生大事に抱えてて
自分とは違う世界に生きてる
意味わかんないやつだなぁと思ってたけど
見てるものも違うけど
隣にいると楽しかったんだよな
他人の身体や自分の誇り、色んなものを傷つける生き方をしてて
歪みや野蛮さを見て見ぬふりしてて
でも喜一くんには"友達"の顔してる
暗い時代でも喜一くんはひた走っていくから、伊東は置いていかれそうで怖い
伊東がどんな思いを抱えて生きてるか、聞いてくれる人は一人もいない
マジで一人もいないんだよな
あの雪の夜に、初めて気持ちをぶつけられたんだよな
全部を明るみにして
"これしかないんだ"という心の声を叫んだ伊東
人を殺して法を歪め都合の悪いことは全て闇に葬る、野蛮な行いに手を貸してる卑しい生き方
誰も褒めてくれないのは分かってるけど
たった一人でいいから、仕方なかったね、と味方してくれる人が欲しい気持ち
たぶん本当に味方して欲しかったわけじゃないと思うんよな
自分でも間違ってると分かってるからこそ、この願望は反語で
自分にはただの一人も味方はいないなんて分かってるよ、という
誰か味方になってやってくれよ……頼むよ……という気持ちになる
事変の結末が辛すぎる
救済はないんか……
喜一くんは人を殺すことを絶対是としないと思うけど、きっと、味方になってやりたかった、とは言ってくれるかなぁ……
でも打ち明けたとて、「仕方なかったね」と言うかというと……
伊東はん、喜一くんを本当に大事に思ってた部分だけは間違いないから、せめてそこだけは伝わってくれ~~
浮かばれねぇ~~