⭐️の記憶があった☀️3「晴明、最近なんかあったのか?」
とことこと職員室に向かっている中、金髪のイケメン・佐野くんが話しかけてきた
「え?いやいや、なんもないよ〜!佐野くん。」
いつも通り、にっこり笑顔で対応する。
そう、何も無いのだ。あべはるあきには。
あべのせいめいとしては、何かが溢れるくらい何かがあったけれど……。
「……晴明、俺を欺けると思うなよ」
「いや、ほんとに何も無いんだって」
「何も無かったら学園長が一週間以上お前に付きまとうわけないだろ」
ビクッと方が震える。それは後ろにいる道満もそうだった。
……道満……(呆れ)
「さ、佐野くん、私はただ安倍先生がなにか備品を壊さないように監視をですね」
「前はそんな事してなかっただろ」
「ぐっ」
このままではまた道満のせいでバレてしまう。
「さ、佐野くん実はね…1週間前に学園長と飲みに行ったんだけど、その時学園長の秘密を握っちゃってね!!!それを言いふらされないように僕のこと監視してるんだよ、きっと!」
「……へーぇ。」
「そ、そうなんですよね」
「……そういうことなら、まぁ。」
納得はいってないようだが、佐野君は引き下がってくれた。
なんかあったらすぐ言えよ、と言葉を残し、佐野くんは教室へ戻っていく。
「…はぁ……」
「危なかったな」
「誰のせいだと思ってるの、全く。」
もー、と少し道満を責めるようにつつく。……ちょっと、何嬉しそうな顔してるんだい。
「さすがに三組の生徒にはバラすのはマズイからな」
「あのこ達ははるあきしか知らないんだから急にせいめいの記憶も持ってました、なんて言ったら困っちゃうしね。」
「それにしても、なんだあの嘘。実際に秘密を握られてるのはお前だろ」
「じゃあ僕が君を監視しとけばいいのかい?」
「それでもいいぞ」
「よくないよ」
そんな、道満にバレてから日常になってしまったその会話をまだ聞かれているなんて、僕は思ってもいなかったのだ。
「おまえ、あべのせいめいなのか?」
デジャヴ。
前と同じシチュエーション、同じ廊下、佐野くんはそう僕に声をかけた
「さ、佐野くん?御先祖様がどうしたの?」
「しらばっくれんじゃねえ。この間の会話を聞いたんだ」
蒼白。
やってしまったとしか言いようがない。
こんな時に限って道満は僕のストーカーをしていない(いたとしても役に立たないかもだが)
「ええと、」
「晴明、俺、あべはるあきのことしか知らないけどさ」
「!」
「どっちにしろお前はお前だし、今までの生活、性格も嘘じゃないって分かってるから……。」
「さ、さのくん…」
「それに晴明が"俺ら"に対して黙ってることがあるのが許せない」
「おっと?」
空気が変わった
今いい感じだったじゃん?「知っちまったけど、変わらずよろしくな」で黙ってくれてる雰囲気だったじゃん?
「というわけでクラスの奴らにもバラします」
「佐野くぅぅぅん!?!?」
そうして佐野くんによって、はるあきがせいめいの記憶を持っていたことがバラされ、「せいめいで接してみてよ!」という無茶にもそれとなく対応してみたところ、「せいめいはせーめーのままでいいぞ」「違和感しかない」「あほ面を晒しとけ」「どっちも晴明先生よ」というご意見を頂き、晴明はそのまま、いつも通りはるあきとして過ごしで行けるようになったのだった。
はるあきがせいめいだとバレて、数日経ったあと
事件は起きた
「先生!狸塚くんが……!」
血相を抱えて、歌川さんが職員室に飛び込んでくるまであと__