朝、目が覚めた瞬間、側頭部に重く響くような鈍痛が走る。
(……また、だ…)
何度か経験したことあるが、未だ慣れない痛みに僕は深くため息をつく。
痛みは次第に側頭部から目の奥へと広がり、ズキン、ズキンと断続的に突き上げてきた。脈に合わせてと頭が揺れるような感覚。
ただ目を閉じているだけでも、瞼の裏で光がちらついて、次第に吐き気もこみ上げてきた。
ベッドサイドの引き出しに常備してある痛み止めを取り出し、棚の上に置かれた水で内服する。
でも効きはじめるまでには時間がかかる。
この時間が、いちばんつらい。
僕はシーツに顔を埋めて、小さく息をついた。
少しでも深く呼吸しようとするが、なぜだか酸素が足りないような気がする。
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