小さくても、守る気持ちは大きいんだ! がさがさと、枝葉を揺らす。自然とはかけ離れた違う揺れ方。
生茂る葉からがざりと顔を出し、辺りを見回し、足をかけた枝から飛び降りる。
一際大きくがさっと音を鳴らしながら、地面に軽く着地をする。
「お疲れ様です隊長」
「どうでしたか」
「敵影はなし。煙も見えないから、この辺は安全だな」
野営を張るため、辺りの散策を。
白珠は小柄で身軽な体躯を活かし、一番背の高い木を見定め、上まで登り周囲の安全確認をしていた。
幼い頃から山を走り、山で育った身体能力と、遠くを見通す視力。散策には適した能力を持っている。
「白珠は小さいから、どこにでも行けていいな」
「狭いとこも入れて便利だよなあ」
「ガキどもと並んでも違和感ないし」
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